弱気派エコノミストとして知られるデービッド・ローゼンバーグ氏が、近時の米長期金利上昇の原因について語っている。
19日のツイスト・オペ宣言の効果が今1つに終わった20日、スコット・ベッセント長官がCNBCで話した。
「(米連邦債務)40兆ドルという数字に何か魔法のような意味があるわけではない。
ただ、財政赤字や対GDP比率について多くの誤解があることを発信したかったのだ。」
ベッセント長官は、米財政赤字がすでに峠を越えたとの認識を示し、長期ゾーンの金利上昇が過剰反応だと主張した。
これに対し21日、ローゼンバーグ氏が長官の認識に同意した。
トランプ政権による大型のバラマキが峠を越え、新たな関税による歳入が見込まれるためだ。
これが財政政策や40兆ドルの債務によるものという議論については、過去数か月の債券利回り上昇の原因ではないと指摘したい。
2月終わりには10年債利回りは4%を下回っていた。
2月以降、財政政策はほとんど変わっていない。
近時の長期・超長期金利上昇の原因は財政政策ではないとの指摘である。
ローゼンバーグ氏は、本当の原因を3つ挙げる:
- イラン紛争
- FRB新議長の説明にかかわる不確実性
- ハイパースケーラーによる長期債発行
ローゼンバーグ氏は特にAI投資が大きく効いていると話す。
「今やハイパースケーラー4社のうち3社のフリーキャッシュフローがマイナスになり、資本市場からの調達を必要としている。
それこそが変化だったんだ。
それがイールドカーブの長期側で政府と資金を取り合っている。」
ローゼンバーグ氏の主張は、AIインフラ投資こそが近時の金利上昇の主たるドライバーであるというもの。
ただし、同氏が話しているとおり、それは政府の借り換え需要と同時に進行しているがゆえに効いている。
現状は、公共部門と民間部門が互いにクラウディング・アウトを及ぼし合うような状況にある。
仮に財政問題がなければ市場は民間債務を吸収できたかもしれないし、金利が上昇するにしても金利水準ははるかに低位にあったのだろう。
市場には、現在の世界的な長期金利上昇について財政問題を挙げる意見も多い。
それは間違いではないが、唯一の理由ではなく、主因の1つに過ぎない。
また、米国について、現状の長期ゾーンの金利は異常なものでなく、むしろ正常化の表れとする意見も多い。
裏を返せば、AIブームや経済成長にともなう資金需要が続くなら、まだ金利は上昇する可能性がある。
その時、金利上昇を消化できない企業や証券はクラウディング・アウトされてしまう、つまり下押し圧力を受けることになるのかもしれない。
