アリアンツ主席経済顧問モハメド・エラリアン氏が、民間統計などから心配される米労働市場の悪化に関連し、米市場のナラティブ変化を指摘している。
市場ではナラティブがとても安心感のあるものから変化した。
堅調な経済にも関わらず利下げが行われるというものから、弱い労働市場にもかかわらず利下げしないかもしれないというものへだ。
エラリアン氏がCNBCで、やや鈍化したようにも見える米国株市場でのナラティブの変化を指摘した。
同氏の金融政策に対する考えは従前から変わらず、7月から利下げを進めるべきだった、というもの。
一方、FRB内には粘着的なインフレを警戒する声も多く、市場の予想する利下げ確率は一時より低下している。
エラリアン氏は、二極化する消費行動を全体として支えてきた資産効果についてコメントしている。
仮に株価上昇が減速しても影響は大きくないというニュアンスだ。
「以前考えられていたほどには資産効果は強力ではないだろう。
量的緩和の時代には明らかにそう考えられていた。
資産効果が働いて、量的緩和が経済に大きなプラスの恩恵をもたらすはずだと。
しかし、そうはならなかった。」
