ウォーレン・バフェット氏はCNBCによるインタビューの中で、インフレのデメリットについてかなり長く語っている。
「(投資家として)昂進するインフレに対処する術はなく、できるのはその場をよけることだけだ。
第2次大戦後、私の人生でインフレが昂進した国はとても多い。
一度そうなると、世界が変わってしまう。・・・
みんな金融市場で驚くような行動をとるようになる。」
バフェット氏は、ポール・ボルカーがFRB議長になる直前(1970年代終わり)、「現金はゴミ」だったと回想する。
インフレが上昇したにもかかわらず、前任のアーサー・バーンズは政治の圧力に勝てず金融引き締めを怠った。
結果、実質金利がマイナスとなり、現金等価物は収奪されるための投資先になっていた。
高インフレにより金利は上昇したが、ネブラスカの農家は金利12%で借入れ、農業で6%の利益を出していたという。
彼らは収益力を超える借入れを行い、収益力を超える金利を支払った。
ドルは消え去るが農地は消えないと考えたからだ。・・・
通貨を信認しないことは、国を別のモノに変えてしまう。
現在、投資家の中では実物資産への選好が高まっている。
インカムゲインがゼロの金も、調整が入っているとは言え、過去2年間で倍に上昇した。
こうした選好が果たして正解なのか、折に触れて冷静に考える必要があるのだろう。
昔も今も米国を信じ続けているバフェット氏だが、それでも米国で通貨の信認喪失が起こりえないとは考えていない。
当局が金利を0.5%ポイント上下させる術は多いが、50%ポイントの上昇を制御する術は少ないと話している。
バフェット氏は、大きな危機は完全に想定外の事象から起こるとも述べている。
かつての経済の教科書の定番、サミュエルソンの900ページの教科書にはゼロ金利についての記述がないという。
「ゼロ金利こそが、それを読んだ学生の人生におけるすべてに対する影響の点で、最も重要な経済上の出来事だった。
損害を与えると思われていないことこそ大きな損害を与えるんだ。」
バフェット氏は、近時までのゼロ金利こそが次の危機・パニックの原因になると考えているのではないか。
