アリアンツ主席経済顧問モハメド・エラリアン氏が、エスカレートするイラン・イスラエル間の軍事衝突のインプリケーションについて語っている。
「たくさんの『もしも』がつくが・・・」
エラリアン氏がCNBCで、拡大するイラン・イスラエル間の軍事衝突の経済への影響について予想した。
イスラエルは13日イラン各地の核関連施設、軍事施設を空爆した。
イラン革命防衛隊司令官が殺害され、住宅街にも被害が及んだ。
この空爆ではイスラエル軍が備える米国製戦闘機も関与しており、イランは米国にも責任があると指摘。
攻撃を受けてイラン最高指導者ハメネイ師は「イスラエルが戦争を始めた」と非難、報復を宣言し、同日イスラエルに対しミサイルによる攻撃を行った。
米国は、イスラエルによるイラン攻撃への関与を否定しているが、イランによるイスラエル空爆ではミサイル迎撃を支援している。
13日の米市場ではS&P 500が1.13%下落。
米10年債利回りは4.4%を上回った。
WTI原油は一時70ドル台半ばを超え、その後も70ドル台にとどまっている。
ドル指数は一時下げたものの横ばい圏。
原油価格を除けば、市場の反応はさほど大きくなかった。
エラリアン氏が現時点で予想する経済への影響は4点:
- 世界経済の成長鈍化
- FRBをはじめ各国の政策の自由度低下
- サプライチェーンの不確実性上昇
- 世界システムにおける米国債の役割低下
エラリアン氏はこの軍事衝突の示唆する「方向はとても明らか」と述べた。
具体的に述べなかったものの(以前の番組で述べている)スタグフレーションを指したものだろう。
同氏は、有事においても過去のようなリスクオフのドル買い・米国債買いが起こっていない点を強調し、世界が米国の通貨・国債への「食欲を減らしている」と指摘した。
ドルにとってよいニュースなのは、代わるものがないことだ。
だからみんな時間をかけて徐々にしか米国への依存を減らせない。
みんな他の多くの資産を買わないといけない。
だから、このプロセスはゆっくり進むが、米国は真剣に受け止めないといけない。