ふくおかFGの佐々木融氏が、円相場の行く末を決める本当の「胴元」が誰かを名指しし、今後の円相場を占っている。
スコット・ベッセント米財務長官は今月初旬、円売りを仕掛けていた投機筋を牽制するため「私が胴元だ」と発言した。
これについてIGNiTでコメントを求められ、佐々木氏が答えた。
ベッセント財務長官の『私が胴元だ』発言はとんでもない。
円相場の胴元は日本人だ。
そもそも米国が保有する外貨準備はさほど大きくない。
さらに円はその一部で、9月11日時点での外貨準備のうち円は証券で53億ドル、預金で74億ドル、合計で128億ドル(約2兆円)だ。
一方、日本の8月末時点での外貨準備(ドル以外も含むが、ドルが過半と見られる)は証券と預金を合わせて約1兆ドル(約156兆円)である。
佐々木氏は、今年日本が介入に数十兆円を投じているのに対し、先の協調介入で米国が買った円は1,000億円単位にすぎないと指摘した。
(ベッセント長官がこれ見よがしに置いたメモには「50-100億ドル」とあったが、その後の検証で実際の額は10億ドル(約1,570億円)を大幅に下回るとみられている。)
佐々木氏は、今後の円相場を決めるのは日本の個人の動向であるとし、「胴元は日本の個人だ」と指摘した。
日本の個人の保有する円預金1,000兆円、現金100兆円は、日米の外貨準備をはるかに凌駕する規模にあるためだ。
佐々木氏は、日米当局の介入、口先介入がだんだん効きにくくなっている点を指摘する。
だんだん効かなくなっていると見えてくると、胴元が動き出す。
我々日本人個人だ。
佐々木氏は、本当の胴元が動き出せば止められなくなると指摘し、それに海外のヘッジファンド等が加わることを心配した。
これは1992年のポンド危機で見られたバンドワゴン効果をほうふつとさせる話だ。
皮肉なことに、当時ベッセント長官はソロスの下でマーチングバンドの先頭に立ちポンドを売り崩す側にいた。
佐々木氏は、今後の円相場を占うなら胴元に尋ねるべきと話す。
「私が変化について話すより、皆さんが周りの方に(外貨を買っているかなどの)状況を聞いて確認する方が正しい情報なのではないか。」
(次ページ: 円相場が均衡水準に回帰しない理由)
