CNBCのアンカーとしてお馴染みのアンドリュー・ロス・ソーキン氏が、人々の熱狂ぶりとその後について興味深い話を紹介している。
昨年10月の新著『1929』(Amazonリンク)はベストセラー1位を記録した。
「1920年代は自動車やラジオだった。
RCAという会社があって、その時代のNVIDIAみたいな会社だった。
みんな、未来がもたらすものにワクワクしていた。」
ソーキン氏が英The Timesで、イノベーションとバブルについて語った。
著書『1929』は、現在と《狂騒の1920年代》をダブらせて書いたもの。
同氏は、人々が現在AIに寄せる期待と1920年代に自動車・ラジオに寄せていた期待に類似点があると指摘。
一方で、明確な相違点もあると話す。
車やラジオは馬車の御者を失業に追い込んだりはしなかったが、AIは私たち全員を失業に追い込む可能性がある。
ソーキン氏は、イノベーションがもっぱら格差を悪化させることに終わらないかを心配している。
2025年1月のDeepSeekショックのように、新たな技術が既存のインフラを陳腐化させるリスクについて尋ねられると、ソーキン氏は、陳腐化自体はさほど心配していないと答えた。
逆に、技術の発展により、必要となるインフラとそのための投資が減ることを望むべきと話した。
その上で、目論見違いが起こる可能性にも触れている。
「SpaceXは宇宙にデータセンターを作ろうとし、それが必要だと考えている。
しかし、それは必要でなくなるかもしれない。
すべての計算能力はこのスマホに搭載されるようになるかもしれない。」
ソーキン氏は、暗号資産のコミュニティーが喧伝する「金融の民主化」というスローガンにも冷静な視線を向けている。
実は同様のフレーズが1920年代にも繰り返し使われたのだという。
同氏はこのセールストークが現在も暗号資産、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル等々で用いられているという。
「市場に新たな商品が導入される時は決まって最終的に必要となる防御壁、ガードレールなしに導入される。
それも、みんなが崖まで詰められ、そこから落ちるまでの話だ。」
ソーキン氏は新たな商品がすべて悪いモノとは考えていないが、売り方に問題があると話す。
ましてや政府が新たな商品を推進する場合はなおさら投資家保護への配慮が必要だという。
しかし、現実には深刻な問題が起こるまで、保護される側の投資家が前のめりすぎて、保護のための規制に反対するのだという。
「宝くじで痛い目に遭うまで、みんな宝くじを買いたがる。
そして、ほとんどの場合、宝くじで痛い目に遭う。
そこで、非難の応酬のゲームが始まり、誰も自分を責めない。」
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