ジェレミー・シーゲル教授が、FF金利に関する2つのバイアスについて語った。
「(FOMCで)驚いたのは、中立バイアスへの移行を求めて3票の反対があった点だ。」
シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、4月28-29日のFOMCの結果についてコメントした。
教授は「バイアスについての反対は見たことがない」と話している。
同FOMCでは1992年以来となる4票もの反対があった。
1票は、利下げを求める大統領により送り込まれたマイラン理事。
予想通り、ブレることなく利下げを主張した。
3票(クリーブランド連銀ハマック総裁、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁、ダラス連銀ローガン総裁)は、FF金利据え置きには賛成したものの、従来からの金融緩和バイアスの継続を意味する文言に反対した。
全体で賛成8、反対4となったが、その内容はどちらかと言えば、利下げの確率が小さくなったというものだった。
金融政策の専門家であるシーゲル教授さえ記憶にないという「バイアスについての反対」。
FRB内でインフレ高止まり・再上昇への危機感が高まっていることを示している。
シーゲル教授は今回、FF金利にかかわるもう1つのバイアスを指摘している。
それは、FF金利先物の価格・金利に加わるバイアスだ。
「FF金利先物は、負のベータを持つがゆえに、予想されるFF金利に対する下方バイアスが加わった推定値だ。・・・
バイアスはおそらく25 bp程度だろう。」
景気が悪化する場合、金利(特に短期)は低下すると予想される。
そういう予想が存在する場合、FF金利先物が買われる。
FF金利先物は株式市場に対して負のベータを持つことになる。
FF金利先物の価格が上がり、織り込まれた金利が下がる。
シーゲル教授は、こうしたシナリオが織り込まれることで、FF金利先物から計算される将来のFF金利が本来の期待値より約25 bp下がっていると主張している。
シーゲル教授は、FF金利先物の期間構造が来年1月までフラットである点を指摘。
(実際、CME Fedwatch Toolによれば、来年7月でもモード(最頻値)は現在値と変わらない。)
この点について《市場がFF金利据え置きを予想している》と解釈する人が多いが、教授は《市場が約25 bp利上げを予想している》と解釈しているわけだ。
シーゲル教授の市場見通しはいつもの通り。
仮にガソリン価格が1ガロン5ドルに向かうようなら消費者心理に悪影響が及ぶとするものの、現状はいまだ経済・企業業績ともに強いと見て、強気を継続している。
