ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が投資のホライズンと見直し頻度について検証した思考実験について語っている。
ガンドラック氏がBloombergで、同氏が投資業界に入った時に検証を任された投資戦略について回顧している。
その戦略とは
- 過去の各時点で5年後の結果が完全に予見できていたと仮定する
- 投資ホライズン: 5年
- 投資対象: 株式・債券・不動産・コモディティなどすべての資産クラス
- 毎年初、5年後に最良のリターンを与えてくれる資産クラスに投資する
将来が予見できてそれに基づき投資するのだから、さぞかしよい結果になると思われるだろう。
ところが、仮に機関投資家がこの投資戦略を採用すると廃業の憂き目にあうのだという。
なぜか?
「多くの場合、5年間の最初の2年は、最良の資産クラスが全然よいパフォーマンスを上げなかったためだ。
多くの場合(よいリターンは)終わりの方に偏っていた。」
この検証からガンドラック氏が下した結論とは「他人のお金を5年のホライズンで投資することはできない」というもの。
ファンドの投資家は(たとえホライズンが5年と聞かされていても)当初2年の冴えないパフォーマンスを許容できない可能性が高い。
これは個人投資家が自身の投資について実を結ぶまでどれだけ我慢できるかにも通じることだろう。
この検証では、投資のホライズンが5年、見直しの頻度が年1回だった。
ガンドラック氏は、ファンドマネージャーが毎週のように内容・配分を見直すのは適切でないと批判する。
こうした短期での予想が当たる確率は極めて低いと指摘している。
では、どのような頻度が望ましいのか。
ガンドラック氏の検証によれば18か月から2年の間が「スイートスポット」になるという。
これを実践した結果、同氏の的中率は通算70%だという。
ガンドラック氏は、それでも30%は外れることを認めている。
そして、外れの年が続けばやっぱり廃業することになるという。
5年連続で不振が続きジャナスから引退したかつての債券王ビル・グロス氏を引き合いに出している。
なぜ外れの年が長く続いてしまうのか。
ガンドラック氏はその答を暗示する発言も口にしている。
結局は、スイートスポットに居続けることだ。
動きすぎず、長期のアイデアに固執しすぎないことだ。
