オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が現状の米国株市場についての見方を語っている。
これまでの私の反応は、バリュエーションは高いがばかげてはいないというもの。
高いにせよ安いにせよ、ばかげていない場合、調整が起こる確率が高いとは言えない。・・・
高いことと明日下落することとは同義ではない。
マークス氏がCNBCのインタビューで、現状の米国株市場について語った。
マークス氏の考えは概ね8月のMemoから変わっていない。
8月のMemoで同氏は、株式市場が「高い」から「心配」な領域に移行したと見て、攻撃的な保有を減らし防御的な保有を増やすようアドバイスしていた。
また、同月には市場が「バブル発生の初期段階にある」との推測も語っていた。
マークスはまだ市場がバブルだとは言わない。
同氏はバブルの主たる原因を「心理的過剰」であると言い、AIブームも含め今はまだ熱狂のレベルがそこまで高くないと話した。
S&P 500のPERが過去と比べて高いのは事実だが、同時に構成銘柄は「より良く、独占的で、優れた製品を持ち、防御のための堀を備え、高収益、成長力がある」と評している。
これは『今回は違う』の一例だ。
「今回は違う」(This time is different.)はジョン・テンプルトンの残した格言。
投資の世界で最も不吉な4語と言われる。
「今回は違う」という言い訳が聞かれるようになると、市場が熱狂し、最後には今回も同じ結末(巻き戻し)に至るという含意である。
今回の高い相場では、AIなど大手テック・ブームがそれにあたる。
マークス氏がこの言葉を引くときは2つの意味を持たせている。
1つ目は上記のとおり、用心しないといけないとの教え。
そしてもう1つは「でもテンプルトンは20%では本当に違うと言っている」という教え。
このインタビューでは、最終的な結果についての予想は言及されていない。