ジェレミー・シーゲル教授は今日も従前どおり強気スタンスだが、いくつか付けられた条件が少し強調されているようにも感じられ、今後のトーンに要注意だ。
「長期債(利回り)、2年債(利回り)でも低下が見られる。
経済が鈍化している。
今日、個人所得が発表されたが、景気後退というほどではない。」
シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、米経済の鈍化を指摘した。
ただし、景気後退といった深刻なものではないとも言い添えている。
シーゲル教授は、物価に影響する住宅価格や原油価格が落ち着いていることから、従前どおり、FRBは利下げすべきと主張した。
一方で、現時点では今月29-30日のFOMCでの利下げはないだろうと予想している。
事態が急変する可能性は否定しないものの、今のところは慎重なFRBの背中を押すだけの材料が出てこないと見ているためだ。
このポッドキャストは27日の日中に行われており、シーゲル教授は同日米市場が史上最高値を付けるだろうと予想した。
同日のS&P 500は一時6,187.68まで上昇し、6,173.07で引け、史上最高値を更新した。
教授は、まだ上昇トレンドが続いていること、一方でVIXが高い(市場に警戒感がある)ことから、短期で次のような予想を述べている。
「まだ多くヘッジされているため、トランプ関税がどれだけ企業利益を害するかもっと明らかになる過程で、さらに5-10ポイント上昇する余地があるだろう。」
シーゲル教授は同日のKnowledge at Whartonで、もう少し長いスパン、2026年に向けての見通しを話している。
FRBは利下げすると思うが、問題は大きな鈍化を防ぐのに間に合うのかだ。
ここから景気後退まで行くとは思わないが、大きな鈍化に間に合うのか。
(関税率のほとんどが)10%に留まれば、鈍化で済むだろう。
そこから2026年を見通すと、さらなる関税がなく、生産性の面でよい要因が出てくれば、株式にとってはまだよい年になるだろう。
まだ強気のように聞こえるが、いろいろ条件を付けているところを見ると、まったくの安泰という話でもないのかもしれない。