モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏が、中東紛争の影響を含めて、現状の強い米国株市場環境を解説している。
これらすべてがそのマイナス影響についてピークに達し、企業利益は4月半ばからリバウンドしている。
ウィルソン氏が自社ポッドキャストで、悪材料出尽くしを指摘した。
悪材料・不安材料は多いものの、その市場への悪影響はすでにピークアウトを始めたとの解説だ。
ウィルソン氏の今年の市場見通しは、前半が停滞、後半に盛り返すというものだった。
トランプ政権の政策のうち、市場に逆風のものが当初に実施され、その後、年後半に減税や規制緩和などプロビジネスな政策が予定されていたからだ。
この見方は、イラン/イスラエル/米国の紛争を考慮しても変わらないようだ。
ウィルソン氏は1950年以降の大きな地政学的イベント23件を検証している:
- 地政学的ショック後、特に6-12か月、株価は上昇する方が多かった。
- 5件のみのマイナス・ケースでは75%以上もの原油価格上昇を伴っていた。
今回、原油価格はかなり落ち着いており、現時点で75%もの上昇は予想されていない。
この経験則から見ても株価下落は予想されないというわけだ。
ただし、ウィルソン氏は完全に警戒を解いたわけではない。
ファクター/セクター戦略にそれが表れている。
- 小型の低クォリティ株よりも大型の高クォリティ株を
- 選好セクター:
- 工業: 電力・インフラ分野の設備投資の恩恵
- 金融: 規制緩和の恩恵
- ソフトウェア: 関税と無縁、AI関連需要
- 一般消費財よりもエネルギー: 一時的原油価格上昇のヘッジに
ウィルソン氏は市場がまだ景気サイクル終期にあるとの認識だ。
もしも状況が変わり、FRBが利下げシグナルを出し始めたら、もっと市場のシクリカルな分野にシフトしようと考えている。