グリーンライト・キャピタルのデービッド・アインホーン氏が、同社の手掛ける金投資とインフレヘッジについて説明している。
「金が3,500-3,800ドルまで上がるなら本当に喜ぶだろう。
でも30,000-50,000ドルまで行くなら本当に悲しむだろう。
ひどく悲しいことにならずにすむよう願っている。」
アインホーン氏がCNBCで、金価格はどこまで行くかと尋ねられて答えた。
同氏は、まだ「上がる」と話しつつ、どこまで行くかについては「わからない」と答えている。
近年アインホーン氏はポートフォリオにマクロヘッジを積極的に取り入れ成功を収めている。
その最たる例が金とインフレヘッジだ。
金をロングしているから金価格上昇はリターンの向上につながるはず。
ただし、金価格の上昇は社会全体の混乱を意味するから、大きく上げるなら「本当に悲しむ」と話しているのだ。
アインホーン氏は、金価格の意味することを解説している。
「金はインフレにかかわるものではない。
金は財政・金融政策への信認にかかわるものだ。」
アインホーン氏はインフレへの対処として長期のインフレ・スワップを保有していると明かしている。
金は政策への信認低下、インフレ・スワップは潜在的インフレに備えたものとの認識のようだ。
同氏は財政赤字の放置が長期的にインフレを上昇させると予想している。
「米国は本当に財政赤字について心配していない。
次の危機が実際に起こるまで財政赤字には対処しないとの超党派の合意があるようだ。・・・
みんな構造的な問題が存在し持続不可能であることに同意していながら、実際の危機が来るまで何も始めない。」
アインホーン氏は長期的なインフレ進行を心配し、ヘッジしている。
その一方で、足下の米経済についてはかなり弱気に傾いている。
「民主党支持者が買物や食事をするところで支出の鈍化が見られ始めてきた。
そうした多くの企業で第1四半期の業績が振るわなかった。
それで、私は大きな鈍化が起こるのではと思い始めたんだ。」