ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイ年次株主総会から: バフェット氏が珍しく投資における財務分析について語っている。
「ウォーレンはすぐにバランスシート、そこに載っていたデリバティブ契約に注目した。
(バフェット氏の言うところの)大量破壊兵器だ。」
グレッグ・アベル副会長が、同社エネルギー部門の買収交渉について回想した。
当時アベル氏はバークシャーにいたわけではない。
買収されたエネルギー会社側の経営者として、この交渉に臨んでいた。
一方のバフェット氏は、デリバティブが企業や経済を破壊すると警告してきた。
(同氏はリーマン危機の一因をこの大量破壊兵器によるものと話している。)
同氏は、買収先のデリバティブがそうした破壊兵器か否かをチェックしたわけだ。
2025年5月 バークシャー・ハザウェイ年次株主総会
この話を聞いていたバフェット氏が、自身の考えを語った。
総会では話したことはないが、私は損益計算書よりバランスシートを見るのにより多くの時間を費やす。
ウォール街はあまりバランスシートを気にかけないが、私は損益を見る前にバランスシートを8-10年分見るようにしている。
バフェット氏がバランスシートを重視するのは、健全な財務体質を好むからということもあろう。
しかし、ここで語られた主眼はそこではない。
投資対象を理解するには、損益よりむしろバランスシートの方が有用と考えているのだ。
「バランスシートは損益よりも隠したり操作したりするのが難しいことが載っているものだ。
どちらも何についても完全な答を教えてくれるわけではないが、それでも数字の表すこと表さないこと表せないこと、経営者がその数字で言いたいこと、監査人がその数字で示したくないことを理解しないといけない。
バランスシートから学べることは多く、他の人が思うより私は多くを学ぶべきと考えている。」