モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏が米国株を推奨し、米市場のレンジ相場上抜けの条件について語っている。
「とても短期的には5,500を少しオーバーシュートすることが続くかもしれないが、この水準を持続的に上抜けるかどうかは、まだ実現していない展開いかんにかかっている。」
ウィルソン氏が自社ポッドキャストで28日、米国株上昇の条件について話した。
ウィルソン氏は先週まで5,000-5,500のレンジ相場を予想しつつ、さらに底割れの可能性についても言及していた。
先週末のS&P 500は5,525.21で終わり、28日もほぼ横ばいで推移した。
これは同氏の予想レンジの上限レベル。
関税やFRBスタンスでの好材料が効いたようだ。
ウィルソン氏が今回挙げた上抜け条件の例とは:
- 対中関税が大幅に引き下げられる
- FRBがさらにハト派に
- 景気後退リスクの上昇なしに10年債利回りが4%を切る
- 企業利益の明らかな再上昇
こうした変化がない限りレンジ相場が継続するという。
逆に言えば、その場合、レンジ内で下げる可能性があるということだ。
また、先週までの認識どおり、株価は景気の大きな鈍化を織り込んでいるといい、景気後退(それにともなう株価底割れ)の可能性も残っているという。
ウィルソン氏はいつものようにセクター/ファクター戦略についても語っているが、やや明確さを欠く内容のようにも見える。
- クォリティ: まだサイクル終期であり、高クォリティと大型株が優位。
- ディフェンシブ: 好調が続くだろう。
- シクリカル: 景気・企業利益の悪化の織り込みが進み、高クォリティに限り可能性。
ディフェンシブとシクリカルが並ぶところに若干の迷いも見えるが、シクリカルでは銘柄選別という条件付きの推奨になっている。
なお、地域別では、米ドル安・利益の安定性・高クォリティを理由に日欧の株式より米国株を選好しているという。