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時が来た:ウォーレン・バフェット

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイ年次株主総会から、その他印象的だったシーンをお伝えする。


バフェット氏は、総会に参加していたAppleのティム・クック氏を他の参加者に紹介して言った。

「私が少々困惑するのは、バークシャーの利益への私の貢献よりティム・クックの貢献の方がはるかに大きいことだ。」

かつてテック株から距離を置いていたバフェット氏が最初に方針を転換した大型投資がApple株の取得だった。
周知のとおりApple株は莫大な利益をバークシャーにもたらした。

バフェット氏は、スティーブ・ジョブズ氏がAppleを育てただけでなく、後継者としてクック氏を選んだことを称賛した。
ジョブズ氏なくしてAppleが生まれなかったように、クック氏なくして今日のAppleの発展はなかったと評価した。
バフェット氏は、クック氏がバークシャーの利益へ大きく貢献したことに謝意を示している。

トランプ関税について

バフェット氏は従前からのより均衡のとれた貿易が望ましいとの持論を説明した上で言った。

「数か国が『ははは、私たちは勝利した』と言い、他の国々がそれを妬むような世界を作ろうとすべきではない。」

「貿易を武器として用いてはいけない。」

バフェット氏は、かつて米国もまた逆の立場にあったと指摘している。

挫折への対処

人生でつまづいた時にどう克服したか尋ねられて、バフェット氏はつまづきは避けられないと受け入れつつ、こう答えた。

「私は人生で起こる悪いことより、良いことの方に集中するようにする。
悪いこともあるが、人生は往々にしてすばらしい。」

バークシャーの経営体制

バフェット氏は翌日開催予定の取締役会に諮る経営体制の変更を予告した。

「グレッグ(副会長)が年末付けでCEOになる時が来た。」

11人の取締役のうちバフェット氏の子供2人を除く9人には知らせていなかったという。
ついにバフェット氏がNo.1を退く時がきた。
株式市場はどう反応するだろうか。

保有するバークシャー株の扱い

バフェット氏は、自身が保有するバークシャー株についての方針も明かしている。

私はバークシャー株を売るつもりはない。
ゼロだ。
徐々に寄付していくつもりだ。

参加者はこの表明に対しスタンディング・オベーションで応じた。
バフェット氏は後継者への配慮も忘れない。

「1つ付け加えると、1株も売らないというのは経済的な判断によるものだ。
バークシャーの先行きは、私の経営下よりグレッグの経営下での方が有望だと考えている。」


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