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官僚主義と財政赤字が通貨の信認を貶めている:ウォーレン・バフェット

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイ年次株主総会から: 財政赤字への危機感とドルの信認について。


「官僚主義は驚くほど米資本主義システムにおいても蔓延し、伝染している。
大企業のほとんどは(政府より)うまくやれると思う。
バークシャーは多くの面でうまくやっている。
政府は結局のところそれをチェックしていない。」

バフェット氏は、イーロン・マスク氏が主導してきた政府効率化省(DOGE)について意見を求められてコメントした。
同氏は、米財政赤字について深く懸念を示している。

それがある程度、通貨の行く末について不安にさせる理由になっている。
政府は通貨を印刷できる。

バフェット氏はその一方で、この問題についての諦観とも言える言葉も漏らしている。

「政府の歳入・歳出をどうコントロールするかという問題は決して完全に解決されることはないだろう。
それは、多くの文明を劇的に害して来た。
米国もそうならないとは言えず、近づいている。」

バフェット氏は米財政について「持続不可能」と明言する。

「財政赤字はとても長く持続不可能な状態が続いている。
米国のような国はかつてなかったから、それが2年後になるか20年後になるかはわからない。」

バフェット氏は、持続不可能なことを続ければ、いつか制御不能となる点に達し、問題解決を諦めるしかなくなると警告する。
同氏によれば、財政を持続可能な状況に戻すには現在のGDP比7%の赤字をおそらく3%まで縮小しなければいけないという。

私はやりたくないが、誰かがやらなければならない仕事だ。
議会ではうまくやれそうにない。

バフェット氏がこう言い終えたところで、会場から拍手が沸いた。
米国では財政再建の必要性を明言するリーダーが多く、相応の支持を集めている。


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