ハワード・マークス氏の言う「二次的思考」とは、体得するのが相当に難しいことのようだ。
その高い難易度をクリアしない限り、持続的に平均を超える投資家にはなれないらしい。
同氏は、それを実現することが重要であると説くが、どうすれば実現できるかは説明できないという。
今回のマークス氏のアドバイスが至極現実的なのは、高みを目指すことだけが道ではないと述べている点。
高みを諦めることも現実的な道だと言い切っている点だ。
同氏は、投資における最も重要な教訓の1つに、謙遜であること、自身の限界を知ることを挙げている。
もしもできないなら・・・進展するインドの奇跡に参加するだけで満足した方がよい。
今後数巡年インド市場への平均的参加者であることはかなりよいことだと思う。・・・
(平均を超える投資家になるより)もっと重要なのは(インドの)この経済と市場に参加することだ。
投資においては銘柄選択も重要だが、資産クラスの選択も重要だ。
ゲイリー・ブリンソンの「資産クラスが投資リターンの変動の約90%を決める」という有名な主張のとおりだ。
(ただし、この90%という数字の解釈は、かなり誇張されて理解されていることにも注意。)
マークス氏はさらに、単にインド市場に参加するだけでなく、腰を据えて参加する重要性を説いている。
現在のインド市場が相当に高位にあり、調整を迎えている点を踏まえた話だろう。
「今そうしろというのではない。
今後10年のインドを逃すなということ。
マーケット・タイミングを試み、買ったり売ったりしていたら、逃してしまうかもしれない。」