ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏が、貨幣錯覚を取り除いたベースで2025年の株式・債券のリターンを回顧し、今後の米市場を展望した。
ドルは
円に対して0.3%、
人民元に対して4%、
ユーロに対して12%、
スイスフランに対して13%、
そして金(第2位の準備通貨であり唯一の非不換通貨)に対して39%
下落した。
ダリオ氏が自身のSNSへの投稿「2025」で、自国通貨の価値が低下する局面での注意点を喚起した。
一言でまとめるなら、貨幣錯覚を廃せということだ。
この投稿のタイトルは「2025」だが、いくつか2026年以降の見通しにも触れている。
同氏によるまとまった見通しとして必見だ。
ここでは、いくつかの注目部分を引用し、読解したい。
「昨年最良の主要投資先は金のロング(ドル建てで65%リターン)で、S&P 500(ドル建てで18%リターン)を47%アウトパフォームした。
言い換えれば、S&P 500は金の価値の尺度で見て28%下落したのだ。」
ダリオ氏は、18%上昇した昨年の米国株について良好だったとは考えていない。
単に、ドルという尺度の方が下がったとの認識だ。
通貨の価値が低下し、価値の尺度として使うのが難しくなったため、金の価値を尺度に用いようとしている。
いわば《gold建て》で見ると、S&P 500は3割近い下落をしたことになる。
ドル建てで見て米国株が良かったと思うのは典型的な貨幣錯覚。
業界やメディアでは各国の株式市場のリターンを自国通貨建てで示すことが多いが、通貨の価値が変化していることを考えると、これでは正しい評価・比較にはならない。
S&P 500リターンは
ドル・ベースの投資家にとっては18%、
円ベースの投資家にとっては17%、
人民元ベースの投資家にとっては13%、
ユーロ・ベースの投資家にとってはわずか4%、
スイスフラン・ベースの投資家にとってはわずか3%、
金ベースの投資家にとっては-28%
だった。
日本円は2025年も最弱通貨グループだった。
主要通貨ではドルに次いで僅差の2位。
アメリカ人と同様、日本人の貨幣錯覚も重大な問題だ。
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