ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏が、いつものように気の滅入るような歴史の転換点を予想した上で、個々人がそれにどう対処できるかを話している。
中国に『狡兎三窟』という格言がある。
英国であれ、米国であれ、悲惨な場所ならばそこから離れよりよい場所に移り住めるということ。
歴史を通して、うまく移住できるか移転できるかは重要なことだった。
ダリオ氏が英The Diary Of A CEOのインタビューで、国境を越えて移り住めるだけの度量・能力の重要性を説いている。
住んでいる国が諸問題を解決できないなら、その地を去る選択肢を考えるべきとの示唆である。
「狡兎三窟」とは、賢いウサギは3つの隠れる穴を用意しているという喩えから生まれた故事成語。
ダリオ氏はすでにブリッジウォーター株式をすべて売却し、同社取締役を退任している(8月報道)。
会社から身を引くプロセスと同時進行で、自身のファミリーオフィスDalio Family Officeでの活動を始めてきた。
同ファミリーオフィスはコネチカットを本拠とし、ニューヨーク、シンガポール、アブダビに拠点を持つ。
3か国での拠点展開はまさに「三窟」だ。
2つ目は、財務的強みを築くことが重要だ。
これは、いくら稼ぎ、使い、貯蓄するかであり、金額を決定し、投資する金額に関係する。
どう投資するかも重要だ。
財務的能力を備え、移転することができて、さらに今起きていることを理解する知識があれば、やり方を変えることができる。
それが必要だ。
並みの投資家は、自分の居所を所与として人生計画・財務計画を立てる。
しかし、本当に大きなリスクが迫っていると考えるなら、それでは間に合わない可能性も否定はできない。
投資とは決して計画的に《濡れ手に粟》のリターンを上げられる営みではない。
リスクや将来コストの側が従前のもくろみより増えそうな時、リスクやコストを根源から減らすための移転も検討すべきかもしれないし、そうしている人は決して少なくない。