ジェレミー・シーゲル教授が、トランプ関税下での米市場の今後を占いつつ、債券の持つヘッジ機能について重要な条件を解説している。
(米国債の急落には)2つ理由があるのだろう。
主因は、米国が世界の準備通貨国であり続け世界トップの成長エンジンであり続けるのか世界が疑問視を始め、米国債保有を心配する人が出てきたことだろう。
シーゲル教授がウォートンビジネスラジオで、最近の米国債急落の原因を解説した。
ちなみに2つ目の理由は、トランプ大統領が財政赤字幅を拡大させた予算を議会が通したことだという。
少なくとも正統的な経済学を信じる人たちの間では、このあたりの議論についてほぼコンセンサスができているようだ。
一部に中国が米国債を売っているとの噂がある点について、シーゲル教授は現時点では推測にすぎないと冷静だ。
「でも、中国が将来売るのではないかとの恐怖だけで、米国債価格は下がる。・・・
貿易戦争の次の段階は『米国がそうするなら米国債を売るぞ』になるだろう。・・・
中国は(交渉のための)よいカードを持っている。」
シーゲル教授のトランプ関税に対する評価は当初から極めて低く、それは今も変わっていない。
「関税が現在の水準であり続ける限り、米市場にはアップサイドはないだろう。
仮に関税が撤回されても、2月の史上最高値に戻ることは私には考えられない。」
シーゲル教授は、今回の関税ショックで米国ブランドが損なわれたと指摘する。
教授は現状PER 13-15倍の欧州をはじめ、外国市場の方が魅力的と話している。
今は「長期的なバリュエーションの方が利益成長より重要」だという。
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