アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が公表している各国・各企業についての各種データの中から、米国株市場についてのコメントを紹介する。
「専門家やマーケット・タイマーによる株式市場についての意見を私が非科学的に評価する限り、様々な理由から2026年初めは明らかに弱気の方に傾いているように見える。
ある人は、3年続けてよい年だったから株が一息つくだろうと言う。
ある人は歴史を紐解き、大統領の任期の2年目に概して株はよくないと言う。
弱気投資家が指摘する、最も一般的な指標は株式のPERであり、2026年の初め史上最高へ向かっている。」
ダモダラン教授が23日付ブログで、米国株市場の慎重なスタンスについて書いている。
教授は3つのPER(最近12か月のEPSによるPER、過去10年の平均EPSによるPER、シラーCAPE)を見て、そのいずれもが歴史的高水準にあると指摘。
その上で、その事実の正しい読み方を書いている。
このことから米国株が割高であることは確実との議論になるように思われるものの、この指標が過去10年間の多くの時期において米国株を避けるよう示唆してきたことも認識すべきだ。
ダモダラン教授は、極めて高いPERを心配する意見にも一理ある一方、米企業の利益率・成長・株主還元が高PERを正当化するとの意見にも一理あると述べている。
教授は、自身が推計した1月1日時点でのS&P 500のインプライド株式リスクプレミアムが4.23%だとし、これが1960年以降の推計値の平均レベルにあると指摘。
リーマン危機以降の水準からすれば低いものの、ITバブルほど低くはないと示している。
ダモダラン教授は、定量的な分析の結果、株価がどちらに向かうかはわからないと結論している。
私は本質的にマーケット・タイマーではないが、昨年は余剰現金を米国株に戻すのを控え、Tビルに投資するようにしていた。
市場が悲観論者にNoを出し続け、今年も強い年になる可能性は大いにある。
しかし、株式投資家には痛みをもたらすだろうが、市場にとって最も健全な展開とは、市場が期待リターン(8-9%)とほぼ等しいリターンを上げ、その過程で割高さを消し去ることだろう。
弱気派にとっては、今年も関税や政治による混乱を含む悪いニュースがついに企業利益を害し始め、全体の利益・キャッシュフローを減らす年になるかもしれない。
しかし、それを待って様子見をするのは、過去10年間ではよい戦略ではなかったのだ。
