リスク管理の達人、ロイド・ブランクファイン氏は語る。
みんな幸せに見え、世界が良い状況の時にみんなに言ったのは
『こんないい気分なのは2007年または1994年初め以来だ。』
鳥はさえずり空は輝いていた時代だが、誰が予見していたろう。
2007年は米住宅バブルの終盤、1994年は根拠なき熱狂のスタート地点。
2008年にはリーマン危機、1990年代後半にはアジア危機、2000年にはITバブル崩壊があった。
それでも、弾けるまでの間リスク資産はまだ上昇していた。
バブル、そして多くの強気相場は金融(・財政)政策が大きく関与している。
なんらかの理由で金融環境が緩和的になると、強気相場、場合によってバブルが醸成される。
今はその時期にあるとブランクファイン氏は見ているのだろう。
一方でブランクファイン氏は、リスク管理の観点からはテール・リスクに備えるべきとも話す。
投資先の選別に努め、信用の高いモノ、バリューのよいモノにシフトするのは悪いことではないという。
同氏は、現在の市場の1つの特徴に注目する。
企業の成長において従来は敵とされてきた企業の規模が敵ではなくなっている点だ。
むしろ今は、巨大企業がテクノロジーの優位をテコに勝ち続けている。
ブランクファイン氏は、これに逆張りする投資行動に対し警鐘を鳴らしている。
「今新たに市場に入って来る人たちは、次の下のレベル、次の下のレベル、次の下のレベルへと手を伸ばしている。
これら銘柄はよりリスクが高い。」
現在、マグニフィセントセブンなど大型株以外のところにチャンスを見つけようという提案は少なくない。
これまでの株価上昇では銘柄が集中していたため今後は反動もありそうなこと、今後の利下げが中小型株の助けとなりそうなこと、新たな景気拡大期になれば広い銘柄に恩恵が及びそうなこと、など理由は少なくない。
しかし、テール・リスクを警戒するなら、この戦術にも欠点があるのかもしれない。
それは、コロナ・ショックで大型株が勝ち残ったことでも経験済みだ。
(9/12 タイトルの誤植を訂正しました。)