オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏は、AIによる景気サイクルが野球で言えばまだ3回ぐらいであり、投資をするなら株式で投資すべきと説いた。
「12月のMemoで書いたが、AIに投資したいなら、株式を買うべきだろう。」
マークス氏が10月30日のCNBCで、AI関連の証券投資について語った。
同氏はAIの可能性を高く信じる一方、それゆえに現実の投資では予見できない点が多いと率直に述べた。
どの製品・サービスが勝ち残り、どれだけの利益を上げ、誰が勝者・敗者になるかについて、大きな不確実性が存在するという。
そうした分野での投資では、ダウンサイドしかありえない債券でなくアップサイドもある株式に投資すべきとの意見だ。
最近ハイパースケーラーらが莫大な資金を調達するのに債務(投資家にとっては債券等)を用いる例が増えている。
それが債券市場の需給に影響を与え、リスクフリー金利上昇だけでなく信用スプレッド拡大をも引き起こしている。
つまり、同分野で債券利回りが上昇したのである。
これを受けて債券に妙味を感じる投資家も増えているが、最近では奇妙な論理を聞くことがある。
AI分野には不確実性があり少し危ういところがあるから、株式でなく債券の方がいい、といった議論だ。
個別の銘柄にもよるのだろうが、これは基本に反する議論だ。
(絶対にデフォルトしないと確信できる銘柄なら、債券もありうるかもしれない。)
言っている本人もわかった上で言っているのだろうが、やはり基本はマークス氏の説くように株式をまず検討すべきだろう。
こうした奇妙な論理が語られるほど、AI分野には人を惹きつける魅力があり、かつ、長く続いた緩和的金融環境の時代を経て現在の債券利回りが魅力的に見えているのだろう。
オークツリー・キャピタルは2019年にカナダの大手投資会社ブルックフィールドの傘下となり、今年8月に100%子会社となっている。
ブルックフィールドはデータセンターなどAIインフラ分野において世界中で積極的な投資を進めている。
マークス氏は、現時点からのAI分野への新規参入については慎重であるべきとの意見のようだ。
一方で「AI景気循環」の局面について尋ねられると、極めて不確実性が高いと繰り返した上で、かなり強気な発言をしている。
「かなり初期に近いと考えている。…
将来の需要が到来しつつある。…
(野球の)喩えでいうなら3回ぐらいなのではないか。」
