アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、米市場の割高感の有無、投資対象としてのマグニフィセントセブンの捉え方について語っている。
新たな材料が出てきたけれど、企業利益は持ちこたえてきたし、持ちこたえている。
ならば、株価が持ちこたえても当然だ。
ダモダラン教授がCNBCで、現状の米国株市場についてコメントしている。
《バリュエーション学長》の異名をとるように、教授は株価など資産価格評価の専門家だ。
米市場は割高という答を想像するところだが、ダモダラン教授の答はそうではなかった。
バリュー投資の専門家とされることも多いダモダラン教授だが、市場に対する姿勢はかなり異なる。
教授は、ベンチャー企業を含め、株価が一見かなり高く見えるグロース銘柄にも投資をいとわない。
最近までマグニフィセントセブンすべてに投資していたし、最近テスラ株を売却したのも価格の問題ではなく政治の影響を嫌がったためだ。
価値と価格を区別して捉え、市場価格の決定要因が価値だけでないことも認識している。
旧来のバリュー投資家がグロース株に投資せず大きなチャンスと逃してきたのとは裏腹に、現実的な投資スタンスなのだ。
「2022年以降みんな恐れるべきことをたくさん話す傾向がある。
悩ましいことを話してきたが、驚くことに、企業利益と株価はそれでも大丈夫だった。
企業利益に反映されてくるまでは、株価に影響するのは大体において話ではなくて現実の効果なんだ。
心配事が多い点には同意するが、そうした心配は企業利益には表れていない。」
ダモダラン教授は単純な価値と株価の比較ではなく、市場がいつファンダメンタルズを織り込むのか、過去の傾向から予想しているのである。
教授は、Mag7のほとんどがまだ利益とキャッシュフローを生み出していると指摘しつつ、世間一般の投資対象としての見方を現実的なものに変えるべきとも話している。
現時点でMag5は50%リターンを与えてくれる銘柄ではないものの、まだ私のポートフォリオの中核を占めている。
リターンを与えてくれ、現時点ではそれらをキャッシュカウだと考えている。・・・
これら企業についてどんなAIストーリーが語られるにせよ、この先20%成長を与えてくれることはないだろう。