ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏が、AI投資にかかわるリスクについて、皆が忘れがちな構造的要因をあらためて指摘している。
今やAIはすべてのものを食っており、それ自体も食ってしまうかもしれない。
言いたいのは、適正な利益を生まないだろうということ。
ダリオ氏がAll-in Podcastで、市場で心配されているAI投資の成否についてコメントしている。
現在、米ハイパースケーラーを中心に、数兆ドル規模のAIインフラへの投資が進んでいる。
投資資金の規模が各社キャッシュフローでは賄えないことから債務による調達がアナウンスされている。
これまで米民間部門はむしろキャッシュリッチな状況と見られてきたが、ここに来て債務が積み上がる可能性が出てきた。
これが次の経済悪化を引き起こすのではないかとの心配につながっている。
ダリオ氏は2000年のITバブルを例に「技術は続いても企業が続くとは限らない」と指摘。
AIが進歩・普及しても、ベンダーの間での競合による淘汰が進むと示唆している。
これは、多くの人が予想している、いわばコンセンサスだろう。
ダリオ氏はさらに、国内産業に目を向けるだけでは不十分と釘を刺している。
同氏は、米中の経済における「哲学」の違いが、AI投資にとって構造的なリスクを与えうると示唆している。
米中の経済には哲学の違いがあり、米国は基本的に利益ベースのシステムになっている。
中国では、利益は2番目の観点のようで、最良の結果を達成する上で利益は必須ではない。
例えば、中国ではAI活用を素晴らしいことだという。
だから電力等のように、みんなにタダ(同然)で使わせるべきという。
AIもみんなにオープンソースで使わせようという。
それがはるかに高い利用率をもたらし、高い利用率によって生産性を上昇させるかもしれない。
米国では投資回収が求められる利益システムになっている。
2025年1月のいわゆるDeepSeekショックでは、中国スタートアップDeepSeekによるAIモデル発表により世界中でAI関連銘柄が急落した。
低コストなハードウェアでOpenAIなどと同等の性能が実現されたとし、高性能ハードウェアの必要性に疑問符が付いたものだ。
しかもDeepSeekのAIモデルはオープンソースだった。
ダリオ氏は、この点に「哲学」的背景を見出し、利益を求められる米国のAI産業にとってリスクになると指摘しているのだ。
