モルガン・スタンレー資産運用部門リサ・シャレット氏は、AI普及が株式投資に及ぼす影響について、やや大胆な予想を語っている。
「攪乱が続く背景には、今回の技術普及サイクルが以前のもの、特にPC、インターネット、携帯デバイスの普及サイクルとは大きく異なることに投資家が理解を深めている点があるようだ。
これら技術サイクルを比べてみると、今回のAI革命には大きく異なる点がいくつか存在する。」
シャレット氏が自社ビデオで、AIがもたらした市場の「攪乱」の原因について分析している。
AI普及の足音は、巨額投資を迫られる企業の逆風となったり、それ以外の産業(例えばSAASなどソフトウェアなど)を破壊するのではないかとの不安を与えている。
シャレット氏はAI普及サイクルの特徴を3つ挙げた:
- 消費者中心でなく投資主導: 雇用を奪うことになれば消費には悪影響となる。供給側では投資が必要だが、生産性上昇が図れる。
- テクノロジーを超えた広範な波及: 莫大な資源・インフラを必要とする。コモディティが「構造的に再評価」され、影響は世界に及ぶ。
- 株式市場への影響が複雑: 需要増に対応するのに大きな投資が必要となるため利益率が上昇しにくい。PER拡大が見込みにくい。
これまでのソフトウェア産業では、いったん開発とインフラ整備をすませば、売上が上がる度に低い変動費の恩恵を受けられる(つまり利益率がどんどん上昇する)傾向があった。
AIでは、顧客の利用ニーズが増えるごとに桁違いの投資が必要となり、規模の経済が効きにくくなる結果、利益率が上がりにくくなるのではとの予想だ。
幾分かつての重厚長大産業のエコノミクスに戻るかのようなイメージだろうか。
シャレット氏は、この分析を踏まえ、なかなか大胆な投資へのインプリケーションを語っている:
- 利益率拡大: テック主導からテック以外主導へ。消費セクターでコスト増となり、物理インフラ関連企業が恩恵を受ける。
- ポートフォリオ: よりバランスと分散が要求される。
- 利益確定すべき分野: 米国株、小型株、超小型株、投機的銘柄。
- 重点セクター: マグニフィセント7を含む大型主要株、クォリティ株。金融・医療・工業・エネルギー分野で生産性上昇の恩恵を受ける銘柄。
- パッシブ投資: 加重平均指数と算術平均指数でバランス(1年前は後者を奨めていた)。50%をアクティブへ移行する検討。
- その他: 新興国市場をはじめとする外国株。ヘッジファンド、金、インフラ。
