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【短信】対米投資は足踏み、国内の統合・再編に注目:イェスパー・コール

マネックス・グループのイェスパー・コール氏が、日本株インデックスへの投資を奨めている。


問題は、利益の90%が米国に行き、日本には10%しか来ないという取引の条件だ。
もしも本当にそうなら、これは資本主義に反し、日本側でそうした取引をしたがる者はいない。
米国が数十年にわたり日本に教えてきた、資本コストより儲かるプロジェクトだけに従事しろという教えに反する。

コール氏がCNBCで、昨年の日米関税引き下げ交渉で合意した日本による5,500億ドル(現在のレートで約85兆円)の対米投資についてコメントした。
日本ではコーポレートガバナンス強化を求める動きが進展している。
コール氏は、コーポレートガバナンスの観点から見ても、利益分配に疑問がある対米投資の約束額は速やかには消化されないだろうと予想する。

日本株市場ではいつものように《政策に売りなし》とばかりに買いを煽る声が少なくない。
その中に、対米投資に関連しそうな銘柄も含まれている。
もちろん投資家は愚かではないから、少なくとも対米投資関連の銘柄でははっきりとした買い方向には動いていないようだ。

日米合意については玉虫色な内容が伝わるだけで、本当に90%-10%のプロフィット・シェアなのかもはっきりしない。
日本側の民間企業が10%では取り組まないといったら国が補填するのか(金額から言って相当に難しいだろう)といった疑問は尽きない。
保有銘柄が対米投資に巻き込まれないことを願っている投資家も少なくないのだろう。

コール氏は、高市首相が産業再編に強い意欲を持っているとの期待を述べている。
コール氏は国内各産業でプレイヤーが多すぎるとし、一例として国内自動車メーカーがいまだに「7社」も存在することを挙げた。
同氏によれば、政権はゾンビ企業を助けるのをやめ、チャンピオン企業の創出を目指すだろうという。

「間違いなく、投資家の視点から言えば、日本の財政赤字が少し増える減るを心配するのでなく、そちらに注目すべきだ。」

コール氏は日本においてM&AやTOBが増えていることを歓迎し、昨年はじめて日本で新規上場より上場廃止が上回ったことを紹介した。
同氏は、こうした動きが残った銘柄にとって有利に働くと述べている。

リテイル投資家なら、日経平均かTOPIXを買う戦略が最良だ。
これらTOBが進み、バランスシートのたるみが減り、M&Aが加速するにつれ、日本企業が大きな恩恵を受けるからだ。

コール氏の《日本愛》は有名だ。
いつも日本に前向きでいてくれることはありがたいが、過去を見る限り、少し割り引いて聞いておいた方がいいかもしれない。


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