海外経済 投資

株価が80-90%下がる時に起こること:ジム・チャノス

ジム・チャノス氏が、2000年のインターネット・バブル崩壊で起こったことを回想している。
もちろん同じことが繰り返すとは限らないが、参考に聞いておこう。


2000年終わりから2001年初めに見られた、崩壊の大きな要因は、受注の枯渇だった。
みんなネットワーク機器の(年間の)発注を2倍、3倍と増やしていたが、突然、必要なCiscoルーターの数は1,000でなく300だと気づいた。
インターネットもトラフィックも拡大を続けていたが、必要と思ったほど(ネットワーク機器は)必要ではなかった。

チャノス氏がRiskReversal Mediaで、2000年インターネット・バブルの崩壊のきっかけについて語った。
崩壊まで、インターネット需要は3か月で倍になると信じられていたが、実際には1年で倍だった。
1年あたりの需要拡大で見れば、16倍と思われていたものが2倍にしかならなかったということだ。
同氏は、ある日突然みんながそのことに気づき、受注が枯渇し、企業利益が「崩壊」したのだという。

チャノス氏は、同様のことがAI分野(半導体チップ、メモリーチップ)でも起こりうるという。

みんな注文してもその1/5から1/3しか入手できないと思い、できる限りの発注をしている。
まだそうなる証拠はないものの、もしも突然、注文分が入手でき、過剰な発注が不要となれば、一夜にして受注は枯渇するだろう。
その時(関連銘柄の)株価は20%でなく、80-90%下落することになろう。

決まった未来ではないとは言え、なんとも不吉な予想だ。
ただ、こうした話はバブル崩壊を経験したことのある人にとってはある意味馴染みのある話でもある。
インターネットの次のバブル、米国の住宅バブルを回顧しておこう。
このバブル崩壊によってサブプライム/リーマン危機が起こり、それが国外にも金融危機を引き起こした。

その際の日本の工作機械受注額から内需のうちの民需の部分をグラフにしたものが次だ:

工作機械の民需受注額
工作機械の民需受注額

米住宅バブル崩壊前、日本は第1次安倍政権で好景気・株高を享受していた。
日本経済に過剰は微塵も感じられなかった。
それが、サブプライム/リーマン危機をきっかけに事態が急変した。

震源地である米住宅とは遠い関係性しかない日本の工作機械で受注が急落したのだ。
実際には、すでに受けていた受注のキャンセルをともなう、まさに受注の消滅だった。
(もちろん外需でも急落があった。)
多くの国内メーカーが国内生産を諦め、世界が危機から立ち直っても以前の水準を回復するまで長い時間がかかっている。

同時期、日本株の平均EPSは(インターネット・バブル後と同様)マイナスに転落している。
日本株が極度の景気敏感株と呼ばれるゆえんであり、日本株PERがこうした局面に至る過程で意味をなさなくなる理由だ。


-海外経済, 投資
-, ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 本サイトでは、オンライン書店などのアフィリエイト・リンクを含むページがあります。 その他利用規約をご覧ください。