シタデルのケン・グリフィン氏が、米政権の政策やニューマネーの投資先について話している。
世界最強の国であるためには、強い通貨を持つようでなければならない。
強い通貨やその準備通貨としての地位は資本コストを引き下げ、金利を引き下げ、他の条件が同じなら国に住まう市民の生活の質を高め、世界経済での大いなる活躍を可能にする。
確かに輸出には少し逆風だが、たくさんの資本を集めて米企業全般に投資を受けることは素晴らしいことだ。
グリフィン氏がThe Wall Street Journalで、最近のドル安傾向が「ドル優位性への重大な試練の初期なのか」と尋ねられて答えた。
同氏は過去1年ドルが輝きを失っていることを認めた上で、米国がいまだ「世界における素晴らしい安全回避地」であると話した。
《強いドルは国益》とする従来の米国のスタンスであり、ドル安を望む人のいる現政権に対する苦言になっている。
グリフィン氏は共和党の大口献金者だが、トランプ大統領とはやや距離を置いてきた経緯がある。
大統領就任後も関税に対し反対を公言してきた。
今回のインタビューでも、財政問題、経済活動への政府の介入、えこひいきの傾向等について苦言を呈している。
政府財政については経済サイクルとの関係で財政規律の強化を主張している。
「米国は景気サイクルの終期にある。・・・
景気サイクルのこの局面では、収支均衡に近づけるべきだ。
こうした時期に国家債務を返しておかないなら、いつ返すんだ?」
グリフィン氏は歳入・歳出の両面で規律を強める時期だという。
経済安定化政策としての財政政策が拡張と収縮を繰り返して持続可能性を保つべきとする、かつての正統的保守層の考えである。
このインタビューの冒頭、インタビュワーは少し面白い設定の質問をしている。
「誰かがスーツケースいっぱいの新札を持ってきたら、何に投資する?」というものだった。
グリフィン氏の答は「FRBに通報しなきゃいけない」というもの。
そう前置きを置いた上で、資産価格が高水準にある現時点でのニューマネーによる投資の考え方を語った。
投資家はそのポートフォリオの目的が何なのかを中心に考えないといけない。・・・
もしも20代なら、今の市場が少しバブルっぽくてもお金のほとんどを世界中の株式市場に投資すべきだ。
70代半ばなら当然、インフレ、下方リスク、投資ホライズンがおそらく20-30年ないことを心配しないといけない。
お金の多くを物価連動債、商業用不動産のほか、インフレによる潜在的な損失影響からより守られた資産に投資すべきだ。
グリフィン氏は、資産形成期と取り崩し期で異なる選択をすべきと答えている。
特に、老後のおけるリスクについてインフレを中心に想定している点が興味深い。
インタビュワーはこの後、自分のお金なら何に投資するか、と質問している。
グリフィン氏は、自分は投資家のお金を運用しているとして、自分のお金については興味がないと交わしている。
このため、インタビュワーは事前打ち合わせでグリフィン氏が話した答を暴露している。
彼は、舞台裏で話したことを言わなかった。
彼が話したのは『マットレスの下にしまっておく』だった。
