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PSRが教えてくれるコト:ケン・フィッシャー

ケン・フィッシャー氏が、視聴者から寄せられた質問に答え、プライベートクレジットやPSRについてコメントしている。


「典型的な景気循環における景気後退とそれに先行して起こる弱気相場では、多くのセクターが悪い結果となる。
次にそういうことになれば、プライベートクレジットは悪い結果となるだろう。」

フィッシャー氏が自社ビデオで、プライベートクレジット市場の先行きは暗いと予想した。
ただし、それが経済・市場全体に及ぼす影響についてはさほど心配していないようだ。

プライベートクレジットそのものは、みんなが話しているようにバブル崩壊のようになるほど大きな分野ではないと思う。
でも、マイナスとなる可能性はある。

プライベートクレジット市場が問題を抱えていると認め、将来問題となりうるが、システミックなリスクに発展しうるほどのサイズではないとの考えだ。
この発言は視聴者からの質問に答える形で語られたものだ。
今回のQ&Aで最も興味深かったのは、フィッシャー氏が40年前に提唱したバリュエーション指標PSR(株価売上高倍率)についての部分だ。
同氏はPSRが

異常な収益性に対するバリュエーションの変化についての感覚

を教えてくれると、同指標の効用を説明した。
例えば、企業の利益率が通常より高い時、市場がE(利益、EPS)を一時的な上昇と見るなら、P(価格)はさほど上がらず、PERは低くなる。
PERの高低だけで売買すれば、失敗するかもしれない。
こうした循環的な利益の変動について、PSRはPERより影響を受けにくい。

ただし、フィッシャー氏の堅い信念を忘れてはいけない。
同氏は、市場が相当に効率的だと信じている。
効率的な市場では、よく知られたバリュエーション指標のメッセージもまた織り込み済みだ。
フィッシャー氏は、他のバリュエーション指標と同様、PSRもマーケット・タイミングのツールにはならないと釘を刺している。

そのフィッシャー氏が、PSRが特に有用となる局面があると言う。
それが、まさにこれからかも知れないのだ。

バリュー株がグロース株よりよい時、PSRはバリュー株全体をアウトパフォームするであろう銘柄を探すのにとても役立つ。
一時的に利益が悪化した銘柄を調べ、評価し、仮に利益がより通常の水準に戻った場合に利益やPBRがどういった水準になるかを予想する助けとなる。

Eが循環的に下がるような時期、PERが高いから安易に敬遠するのではなく、PSRも見て銘柄を選べとの趣旨だろう。


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