海外経済 投資 政治

【短信】貿易戦争が資本戦争を引き起こす:レイ・ダリオ

ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏は、トランプ関税等に端を発した貿易戦争が資本戦争に発展しつつある状況に警戒している。


貨幣秩序が崩壊している。
貨幣秩序と言っているのは、債務・富の保蔵手段としての法定通貨の保持のあり方が中央銀行によって異なっているということ。

ダリオ氏がダボスでのCNBC出演で、各国の法定通貨の価値が異なるスピードで減価していると語った。

ダリオ氏は「貿易赤字と貿易戦争の裏側には、資本と資本戦争がある」と話す。
米国が貿易赤字を積み上げれば、相手国は直接・間接に米資産を保有することになる。
逆に、無理に貿易赤字を減らそうとすれば、それは米資産保有が鈍化することを意味する。

「米ドル建て債務、お金の持ち主と、それを必要とする米国の双方が互いについて心配している。・・・
対立が起これば、資本戦争の可能性が無視できなくなる。
つまり、米債務ほかを同じように買わなくなるだろういうこと。」

近年の金価格の急騰には、各国によるドル離れが背景にあるとの考えだ。
昨年、米ドル・米国株は先進国市場で最もアンダーパフォームした市場となった。

「国際的な地政学的な対立が起これば、たとえ同盟国であっても互いの債務を保有したくなくなる。
これは論理的であり、現実であり、歴史を通して繰り返されてきた。」

ここでダリオ氏が念頭においているのは中国、日本、欧州だ。
中国こそ世界の覇権を争うライバルだが、日本と欧州は同盟国。
その同盟国にも喧嘩を売れば、同盟国であっても米国を敬遠するようになる。
取り分けグリーンランドの問題は、米国が同盟国から領土を奪おうとする試みと受け取れる。

こうした状況でどのように投資すべきかと尋ねられ、ダリオ氏はいつものように分散の効いたポートフォリオ構築を心がけるべきと話した。
(参考: リスクパリティ、オールウェザーのバランスとは
通常の状況では、金をポートフォリオに5-15%入れるとよいという。
金には他の資産がよくない時に上昇する傾向があり「効果的な分散子」として働くためだ。

さらに、現在の状況を加味するため、2つ戦術的な変化を持たせるという:
 債券を減らし、金を増やす
 破壊的技術への投資を入れる
金については、上昇したから売るというのでなく、適切な構成比を維持すべきだという。
ダリオ氏からすれば、多くの投資主体で金への投資が足りていないという。

(リスク面での)中立がどこなのかを知ること。
あなたが中国、日本、欧州だったら、ポートフォリオをどうするか? 何を持つか?
それを想像するのが基本なんだ。


-海外経済, 投資, 政治
-, , ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 本サイトでは、オンライン書店などのアフィリエイト・リンクを含むページがあります。 その他利用規約をご覧ください。