ジェフリー・ガンドラック氏のFOMC直後のCNBC出演の続報: インフレ高止まり、ドル安、イールドカーブのスティープ化を予想している。
米ドルの実質実効為替レート

「(予想の実現には)思うより常に長い時間かかるものだ。
私は長い間ドルに対してネガティブだったが、思ったより長くかかった。」
ガンドラック氏のCNBC出演の全貌がダブルライン・キャピタルから公表されている。
投資においては方向性を正しく予想していたとしても、その実現までは想定以上に時間がかかるという。
同氏は過去数年にわたり米ドル安への転換を予想してきた。
その根拠はとても正統的なものだったし、過去の事例とも擦り合っていた。
しかし、その実現には長い時間がかかった。
ところが、今年については少なくともドルは下げている。
これが大きなトレンド転換になるかはまだわからないが、ガンドラック氏はそう確信しているようだ。
同様の例としてガンドラック氏は1999年9月末にNASDAQに対し「最高に」弱気になった経験を回想している。
その予想に反し、続く第4四半期にNASDAQは85%上昇し、ドットコム・バブルを本格化させている。
しかし、バブルには終わりがあった。
仮に9月末にNASDAQをショートしていれば、それから18か月後には64%のリターンが得られたはずだという。
確信するシナリオであっても、その実現までには相当に長い間、心安からぬ時を耐え忍ばねばならないのだという。
以下、投資推奨:
- 金と幅広いコモディティ
- 米ドル建てでない海外投資、現地通貨建て新興国市場投資
- 2-7年もの国債
- 債券は長期のものを避け、質の高いもの
従前と変わらず、インフレ高止まり、ドル安、イールドカーブのスティープ化を予想しているわけは明らかだ。
ガンドラック氏は、仮にトランプ大統領から次期FRB議長を推薦しろと頼まれた場合、次のように返すと答えている:
「2年債をFRB議長に推すだろう。
それが実際に起こってきたことだ。
何十年もそうなっている。」
ガンドラック氏は従前から、FF金利は2年債利回りを後追いしているだけと揶揄してきた。
今後も債券市場は先行きのFF金利を予想し、先回りするだろうというわけだ。
ガンドラック氏によれば、大統領は自分の意のままに金融緩和する人物を選ぶため、議長が誰かは問題ではないという。
同氏は、大統領がインフレなど心配しておらず、ただただ名目GDPを押し上げたいだけだと見透かしている。
だから、インフレ高止まり、ドル安、イールドカーブのスティープ化を予想し、結果、新興国市場のフィクストインカムなど外貨資産が望まれるという。
ガンドラック氏は、この変化はまだ始まったばかりだと話している。
中国の諺『千里の道も一歩から』にあるように、今Tビル買入れを加速するのは、過去に月数百億ドルのQTをやっていた頃よりもQE実施について哲学的に寛容になることを意味する。
