ふくおかFGの佐々木融氏が、日本政府の語らない真の意図を推測し、日本株・円相場について予想を語っている。
「バブル時の株価は倍率が上昇して弾けたが、今は利益が膨らんで上がっている。・・・
利益が増えているのはインフレと円安によるもので、私の予想通りインフレ・円安が続くのなら利益が膨らむので株価は上昇することになる。」
佐々木氏が自社ビデオ配信で、日経平均がさらに年10%上昇してもおかしくないと語った。
日本の政策金利が実質マイナスである中、積極的財政政策が採られるとみられ、インフレ・円安が続くと予想したもの。
同氏の予想の背景には、政府の財政政策の真意に対する推測がある。
「意図的に円安・インフレにすることで(政府)債務残高対GDP比率を下げ、積極財政をやりやすく、インフレで税収を増やす、そういうことをやろうとしているのかなあと。
苦しい人はもっと苦しくなり、貧富の差が拡大するのでよくないとは思うが、政権としてそれを目指すというのなら・・・株価は上がるし円安になるだろう。」
為替について佐々木氏は、再び大幅な円安が起こるリスクがあると話し、そのトリガーとなりうるシナリオとして日本のソブリン格付の格下げを挙げている。
現状、円安・インフレで財政状況が一服していると述べた上で、将来もしも格下げがあれば、邦銀の海外での日本企業向け融資のための外貨調達が難しくなるかもしれないという。
その場合、日本企業はドル等の外貨を買って返済することになる。
その円安を嫌気して1,100兆円の円預金を保有する日本の家計が動けば、180-200円程度まで円安が進みかねないとした。
佐々木氏は次の為替介入ラインを165円程度と予想している。
ドルが上昇している時には介入が効きにくいこと、外貨準備が160兆円ほどしかないことから、財務省は次の介入のタイミングについて相当に慎重にならざるをえないとの見立てだ。
佐々木氏は、ドルの次の基軸通貨について尋ねられると、交代には50年かかると予想した。
「次の基軸通貨は人民元だと思っているが、多分私が生きているうちにはないだろうと思う。」
ちなみに、FPの予想する次の基軸通貨候補の筆頭も人民元。
しかし、それと同等の確率で、中国が(歴史で繰り返したように、あるいはソ連が経験したように)分裂に至る可能性もあると考えている。
要は、予想がつかないほど長くかかる、あるいは世界が予想を大きく上回る速さで変化するかもしれないということ。
