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米国株の足踏みはピークアウトではなくフェイント:ジェレミー・シーゲル

ジェレミー・シーゲル教授が、今月に入りやや下げ気味の米国株市場について、フェイントにすぎないとの見方を語った。


みんなが市場下落を確信し『これで終わりだ』というとき、実際はそうならない。
フェイントにすぎない。
弱気相場や大きな変動の前には、通常多くのショート・スクイーズが起こる。
市場が最終的に反転する前には、市場には無数のフェイントが見られるものだ。

シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、バブルや強気相場の終わりを危惧する声について否定的なコメントを述べた。
安易にショートをすれば大やけどを負いかねないとの注意喚起だ。
VIXが20を超えている点も指摘し、ピークである可能性は低いと示唆した。
また、深刻化しつつある政府閉鎖が終了する可能性もあり、潜在的に上昇要因となりうる点も挙げている。

日頃から《まだ間違いなく強気相場だ》というフレーズの多いシーゲル教授だが、今回その受け取り方を考えさせられる発言もあった。

「私が株式市場について短期予想を述べる時、それはかなり50:50に近い。」

《永遠のブル》とも呼ばれ、圧倒的に強気予想の頻度が多いシーゲル教授だが、極めて短期の予想については基本的にランダム・ウォークを信じているようだ。
株価は趨勢的には上昇すると予想されるものだが、予想の期間を極めて短期にとると、趨勢的な上昇が短期的ノイズに隠れてしまい、ランダム・ウォークの要素が支配的になる。

しかし、シーゲル教授は、短期予想が50:50と述べつつも、今回の《まだピークではない》との予想については55-60%の確度と考えているという。

最近時折言及していたビットコインについて、今回もシーゲル教授がコメントしている。

「ビットコインのベータはかつて10、12、20、今でも4-6と大きい値だ。
NASDAQが調整すれば、ビットコインも調整するだろう。」

シーゲル教授は誠実に長期投資を推奨してきた。
その教授にとって、ビットコインや仮想通貨の利点とはリスクヘッジや分散に役立つかであり、それがこの発言の背景にある。
皮肉なことに、これらを買っている人たちの大多数は、リスクヘッジや分散とはむしろ逆方向の動機を有する人たちだろう。


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