アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、米株価水準についてコメントし、今後のAIにおける有望分野を予想している。
テック株だけでなく、株式全般が高い株価で取引されている。
《バリュエーション学長》がCNBCで、米株価水準についてコメントした。
ダモダラン教授は株価が高いと言うものの、現状をバブルとは呼んでいない。
教授によれば、バブルとは株価と企業利益の関係が切れてしまった状態だが、現状は企業利益が市場予想より高く推移しているためだ。
企業利益が好調なうちは「(市場の)調整のカタリストはない」と述べている。
ダモダラン教授は株式の価値評価を語るだけでなく、実際に多くの銘柄に投資を行っている。
マグニフィセント7で言えば、テスラ株を除いて6銘柄に投資している。
(教授は、テスラの政治銘柄化を嫌気して同株を売りBYD株を買っている。)
NVIDIA株も保有しているが、1年前と比べると半分に減らしたという。
Mag7ではないが、インテル株も保有しており、昨年9月以降ではNVIDIA株より良好なパフォーマンスだという。
(教授は表情を変えずに話しているが、きっと(NVIDIAによる救済発表で急騰した)インテル株に投資していたことを少し自慢したかったのだろう。)
ダモダラン教授はAI分野について2000年までのドットコム・ブームに重ね合わせて予想した。
今後数か月・数年では、アーキテクチャーの分野よりも製品・サービスの分野から群れを抜け出す銘柄が増えていくだろう。
数十年振り返ると、大きなブームでは当初アーキテクチャー企業が恩恵を受ける。
ドットコム・ブームならシスコだ。
最終的には最大の勝者はアーキテクチャー企業ではなく製品・サービスの企業だ。
ダモダラン教授は製品・サービス分野を狙う企業としてオラクル、パランティア、マイクロソフト、メタを上げたが、(ドットコム・ブーム後がそうであったように)全く名が挙がっていない企業が勝者になるかもしれないとも語っている。
製品・サービスによるキャッシュフローなくしては、ハイパースケーラーやアーキテクチャー企業が収支を均衡させるのは難しいとの見方を述べている。
株価に影響するマクロ要因について尋ねられると、ダモダラン教授は従前どおり、金融政策よりインフレを重視すると述べている。
FRBが短期金利をどう操作しようが、短期を除く金利は需給によって決まると解説した。