エド・ヤルデニ氏が米国株市場について、近いうちの調整・弱気相場の可能性は低いと暗示した。
スローモーションのメルトアップだ。
ヤルデニ氏がCNBCで、現在の米国株市場の状況を表現した。
メルトアップとは控えめに言って急騰、通常バブル的な上昇を表現する時に使われることが多い。
しかし、ヤルデニ氏にはあまりそういった危機感は感じられない。
同氏によれば、経済は底堅く近いうちの景気後退は予想されないのだという。
「弱気相場は景気後退によって引き起こされる。
調整とは、実現しない景気後退を予想する時に起こる。」
ヤルデニ氏は、市場が経済に対して自信を深めていると話す。
ベビーブーマーをはじめ消費は堅調で、テクノロジー主導の投資は金利感応度が低い点を理由に挙げている。
では、ヤルデニ氏自身が安心しているのかというと、そうでもないらしい。
同氏は懸念材料として、関税の影響、インフレ動向、トランプ政権によるFRBへのプレッシャーを挙げている。
《債券自警団》という言葉を作ったことでも有名なヤルデニ氏は、FRB利下げには意味がないという。
短期のFF金利を引き下げても、長期金利は上昇傾向にあるからだ。
同氏はインフレの再上昇を予想し、利下げについては「もう終了」との予想を続けている。
私の関税とインフレについての考えは、関税がインフレを高めることはないというもの。
関税はインフレの低下を阻むというものだ。
インフレは2%まで低下するのではなく、突如として3%前後に張り付くことになろう。