ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏が、カーライルの共同創業者デービッド・ルーベンスタイン氏からインタビューを受けている。
投資業界のジャイアント同士のやりとりは見ごたえがある。
特徴的なのは、シリアスな主張を繰り返すシリアスなダリオ氏、そして聴衆に対し、ユーモアと笑いを引き出している点だ。
「みんなを意気消沈させて返したくない。
だから、米経済、経済システムについて何か良い点を挙げてくれないか?
何かあるはずだ。」
ルーベンスタイン氏が92nd Street Yでのインタビューの終盤、ダリオ氏に懇願した。
それほど暗い気持ちにさせる内容だったが、それでもルーベンスタイン氏はユーモアを終始忘れなかった。
ダリオ氏はこれまで意欲的に米国の債務危機・通貨危機を回避するための啓蒙活動に注力してきた。
新著もそうだし、実際にワシントンの政治家にも再三働きかけたが、結果はむなしかった。
ワシントンの答えは、逆に財政を悪化させる「大きな美しい法案」の可決だった。
ダリオ氏のかねてからの主張は「3%、3面の解決策」だ。
3つの財源(歳出削減、増税、金利引き下げ)によって財政赤字をGDPの3%まで削減すべきというもの。
財政問題の軌道が変わらない場合、3年のうちに債務危機に見舞われるとの切迫した考えだった。
ルーベンスタイン氏は、この点についても通な質問をしている。
「3面の解決策」は1面(金利引き下げ)だけでは効果を発揮しないのかとの質問だ。
(「3本の矢」を掲げ1本に過度に依存した日本をなぞろうとする大統領の話だ。)
ダリオ氏はその可能性を明確に否定した。
「それをやりすぎると債券の需要を損ねてしまう。
歳出削減や税収増で4%ポイント程度財政バランスを改善すれば、恩恵が得られる。
金利を無理に引き下げれば、債券保有者の利益を害し、債券の需要が減り、債務スパイラルに陥ることになる。」
つまり、債券の需要を維持することが大前提になるとの考えだ。
(金利引き下げが可能であるとはそういうことだ。)
世界的な超長期金利上昇が危惧される中、この指摘の意味は重いのだろう。
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