モルガン・スタンレー資産運用部門のリサ・シャレット氏は、米国株にさらに上値余地があると認めつつ、やや慎重な見通しを述べている。
「米経済の強靭さが近いうちの景気後退確率を減少させており、S&P 500にここから5-10%の上昇余地がある点には合意する。
提案されている法人減税、低エネルギー価格とドル安の珍しい組み合わせなども企業にとって潜在的な追い風だろう。
それでも、これだけでは新たに強気を見込むには不十分だと考えている。
特に、伸びきった(株式)バリュエーションと、株式と他資産クラスの間の断絶を考慮するとそう思える。」
シャレット氏が自社ポッドキャストで、米株高にやや慎重なコメントを述べている。
先月S&P 500は約6%上昇し、いまだに不確実性を残している環境でも騰勢がやまないことへの危機感を示したものだ。
特に、米国ほかでの長期・超長期金利上昇という、本来ならネガティブな変化が無視されている点を危惧している。
- 政策の不確実性: 関税がセクターごとに異なるインパクトを与える。
減税法案により金利のタームプレミアムが持続する。 - 「1つの大きな美しい法案」による債務の持続性の問題。
政府の利払い負担上昇し、米10年実質利回りはリーマン危機後の最高水準。 - 世界の長期金利が収斂方向にあり、同時に上昇している。
日欧での刺激策、アジアの投資家の米ドル離れ等が長期金利上昇の要因。
こうした状況を鑑み、シャレット氏は次のような投資を推奨している:
- パッシブ(インデックス)だけに頼らず、アクティブな銘柄選択
- 高ボラティティティ・実質金利上昇・ドル安の中で米国株リターン5-10%を目指すリバランス
- 外国株・コモディティ・エネルギー・インフラ・ヘッジファンドへの分散
- 短中期の投資適格債と地方債をオーバーウェイト