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【短信】ある人の債務はある人の資産:レイ・ダリオ

ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏が、安易な金融緩和でお金の価値が低下しかねない点を警告している。


FRBは今は利下げすべきでないと思う。
FRBは物事のバランスを取るのがとても難しい状況に追い込まれており、大きな不確実性と心理の悪化の中にある。

ダリオ氏がBloobergインタビューで、現時点のFRB利下げは望ましくないとの見方を示した。
一方で、権力者が刺激策を好む傾向から、パウエル議長(任期2026年1月)の後任はより利下げに積極的な人物が登用されるだろうと予想している。

ダリオ氏は、米国が直面するジレンマを解説する。
いつものように「ある人の債務はある人の資産」と語り、政府の意向を取り入れてFRBが利下げをすることが「資産」の価値を下げる点を説明している。
連邦政府の債務である米国債、FRBの債務である米ドルは、その保有者にとっては「資産」だが、利下げにより価値が減じてしまいかねない。
当然のことに、債務者と債権者の間には利益の対立がある。
債務者自ら利払いの金利を下げようとすれば、債権者はそっぽを向いてしまいかねない。
同氏は、中間選挙が近づくにつれ、より心配な時期を迎えると話す。

金融政策において積極的すぎる利下げ、不適切な利下げがあれば、債券市場にはよくない。・・・
長期金利が上がっているのと同時に米ドルが下がり、金が上がっている。
こうした動態は、お金の価値(低下)が大きく効いているために債券からの逃避が起きていることを反映するものだ。

仮に現在がダリオ氏の言うようにドル安進行中とするならば、円高が進まない現状は円安・ドル安と呼ぶべき状態なのだろう。
日本も長期・超長期ゾーンで金利は上昇している。
選挙も近く、減税を求める声も大きい。
似たような動態にあることになる。


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