アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、日々の不確実な出来事で右往左往することの弊害を説き、不確実性の中で選ぶべき銘柄群を示している。
投資家にとって最善だったのは、おそらくどこかネットのないところへ行って月末に返って来ることだった。・・・
日々の出来事に反応すれば、ポートフォリオを改善するより損なってしまうことが多い。
ダモダラン教授がCNBCで、タリフマン・ショックから立ち直りつつある市場での立ち回り方を振り返った。
3月末のS&P 500は5,611.85。
4月2日の「解放の日」以降、一時4,800台まで下げたが、25日には5,525.21まで戻している。
急落した段階では株式を売却した投資家も多かったはずだし、急落を経験し買いに入る意欲を失った人もいたはずだ。
今までのところ、結果論で言う限り、そうした投資家にとっては裏目の結果となっている。
ただし、ダモダラン教授は、関税をはじめとする諸課題が解決されたと考えているわけではない。
むしろ問題が山積みであるがゆえに「マグニフィセント7を簡単にはあきらめない」と話している。
「再び奇妙なことに、すべての問題がMag7に有利に働くかもしれない。
トラブルが増えるにしたがい、高い柔軟性が報われるためだ。」
ダモダラン教授は、Mag7がパンデミックやインフレ急騰など困難な時期に「信じられないほどの柔軟性を示し」逆に業績を伸ばし株価を上昇させた点を指摘。
過去1-2か月は「買いのチャンス」だったと話した。
ただし、教授のスタンスは銘柄ごとに異なっている。
- テスラ: 投資に政治の要素が入って来るのがいやだったので売ってあった。
「テスラは政治的大火災の中心になり、それはなくならない。」
EVでけでなく、ロボットや自動運転でも長期的に影響し、「イーロン・マスクが会社に集中してもかわらない。」 - アルファベット: 独禁法問題。
- アップル: 生産面での中国依存。
銘柄ごとに大問題を抱えており、解決には時間がかかる。
ダモダラン教授は、これら問題の影響が本格的に表れるのはこれからだと警戒しつつ、それでもMag7の一部を諦めるべきではないと話している。