ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、米国債デフォルトのシナリオ、米経済のXデー、金の落とし穴、推奨ポートフォリオ、投資家の奇妙な行動等、幅広いトピックを語った。
「少し心配になるだろうが、ドル(安)トレード推奨は実り、1年ほど前には私1人だったイールドカーブのスティープ化予想も実現した。
債券市場の長期側は、操作されない限り価格上昇(≒利回り低下)しないという予想だ。」
ガンドラック氏が自社ビデオで、自身の予想が次第に実現しつつあると振り返った。
(明るい予想でなかっただけに、笑顔ではない。)
同氏は「操作」なしでは米10年債が6%に向けて上昇すると予想し、長い方の金利が「操作」される場合の方法について2つの可能性を挙げている:
- 長期債買入れ: 日本のイールドカーブ・コントロール、米国の戦後で先例がある。
- ヘアカット: 国債(含む既発債)のクーポンを例えば1%に縮小する。
後者(デフォルトの一種)については当然疑問も起こるだろう。
ヘアカットを実施したら、その後誰が米国債を1%で買うのか、だ。
ガンドラック氏は、1881年ガーフィールド政権下での先例を紹介した。
この時、米政府は6%のクーポンを3%までヘアカットしたのだという。
「彼らは6%クーポンを3%に変えるとは言わず、人々に選択を迫った。
『クーポンを6%から3%にする方がいいか?
今、現金と引き換えに買い上げるのがいいか?
その場合、政府は元本を償還する。・・・
以前の金利でなく新たな金利水準で再投資しなければならないから、結局3%で投資することになる。』」
もちろんこのやり方が成り立つにはある条件があった。
大昔の話であり、自国の政府証券に代わる低リスクの投資先がほぼ存在しなかったのだ。
今の米市場でそのまま応用することはできない。
仮に本当に実施するなら、何らかの資本規制とともに実施することになろう。
もっとも、いわゆるマールアラーゴ合意構想では外国投資家を狙い撃ちにして似たアイデアが提案されているから、決して荒唐無稽ではないのだろう。
ガンドラック氏の財政悪化への危機感は大きい。
政府の利払い負担が急激に拡大し、それが米経済に悪影響を及ぼすという。
ほぼ確実だと確信しているのは、2030年までに経済が縮小し、困窮するというもの。
メインシナリオは2029年ぐらいだ。
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