ジェレミー・シーゲル教授が、望むというより警戒するといったトーンで、2000年のITバブル再来の可能性を指摘している。
「出てくる経済データはまだ強い。
まだゴルディロックスだ。・・・
すべての兆候は、経済が良い状態で、熱しすぎないペースで着実に進んでいると示している。」
シーゲル教授が年初のウォートンビジネスラジオで、米経済が順調と語った。
ただし、市場の話となると、前年の抑制気味なトーンを継続している。
今年はタフな年になるだろう。
シーゲル教授は、2025年が「タフ」になる理由をいくつか挙げた:
- 選挙後すでに大幅なトランプ・ラリーがあった。
- 上昇した金利が重しに。
- 減税など様々な政策について第1次政権ほどのインパクトは望めない。
シーゲル教授は、市場が第1次トランプ政権での株価上昇の再来を期待しすぎているとし、年内に調整(10%下落)が入るとの予想を継続した。
教授は過去2年のEPS成長が8-9%だったのに対し、今年は17-18%が予想されている点を問題視する。
すでにPERは23倍と高位にあるとし、特に債券との比較で割高感が増していると話した。
シーゲル教授は、ファクターやセクターのローテーションの兆候がまだ見られないと話した。
AIナラティブは依然健在だという。
また、金利上昇が高配当株にとって逆風だと指摘したが、それでも債券よりはましだという。
シーゲル教授はこれまで現状の米市場と2000年ITバブルとは状況が大きく異なると話してきた。
しかし、現在の米市場の金利に対する反応などから少しトーンを変えたようだ。
私は債券を楽観していない。
債券には依然圧力が加わっているが、株式は1999年と同様それを無視している。
もしもS&P 500が今年も2桁上昇を続けるなら、それは1997、98、99年のS&P 500の20%超上昇を再現することになる。
もちろんそれが2000年の大きく過大なバリュエーションにつながった。
それが起こりうる。
シーゲル教授は今年、市場の調整を予想しつつ、バブルの可能性も指摘している。
バブルを懸念するがゆえに調整を望んでいるようにも聞こえてくる。