アリアンツ主席経済顧問モハメド・エラリアン氏が、ソフト・データ悪化について心配している。(27日 浜町SCI)
これを機会に米債券市場の織り込むインフレ率について見なおしておこう。
米国におけるソフト・データとハード・データの差の謎が深まっている:
今日発表のミシガン大学調査によれば、先行き期待の急落によって消費者心理が史上最低レベルに悪化し、かつ、短期・長期ともにインフレ期待が1991年にさかのぼるレベルまで上昇した。
エラリアン氏が25日ツイートした。
トランプ関税等により、米国ではソフト・データ(人々の心理・予想)が急激に悪化している。
一方で、ハード・データ(実績の経済統計等)はまだ悪化が見えていない。
もちろん、心理や予想が現実の経済活動やその結果の統計に反映されるまでにはタイムラグがある。
だが、それにしてもハード・データが堅調だ。
エラリアン氏はツイートで、この乖離の原因について4つの可能性を挙げている。
- 2つの間の伝達経路のラグ
- 物価高を見越した駆け込み消費
- 消費者の言動の不一致
- データの問題
いずれもありうる話だが、エラリアン氏は前2つが主因だと推測し、そして恐れている。
仮に推測どおりなら、ハード・データの悪化はかなりのラグをもって表面化することになる。
楽観を取り戻しつつある市場にとっては冷水を浴びせられることになりかねない。
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