インフレヘッジとしての効用が謳われることの多い不動産についても、レイ・ダリオ氏のスタンスは厳しい。
「不動産は安全資産ではない。
動かず、持ち運びができず、容易に課税できる。
したがって、大きな時代の変化や政府が税収を必要とする時に保有する最善の資産とはならない。」
ダリオ氏は以前、不動産の欠点としてインフレより金利への感応度が高い点も指摘していた。
インフレヘッジのつもりで買っても、インフレ上昇とともに金利が上昇するような場合はヘッジにならないためだ。
ダリオ氏の投資に関する主たるアドバイスは、看板商品であるオールウェザー戦略のとおり、分散投資だ。
何が上がる、何が下がると当てに行くのではなく、どちらに転んでもリスクが大きくならないようコントロールすることだという。
賭けを行うマーケットメーカーは無数存在し、何が起こるかの予想は価格に織り込まれている。
どの馬がレースで勝つか賭けるのと同じだ。
ハンディは賭けのオッズで考慮されており、最悪の馬でも最良の馬と同程度に良い賭けになる。
つまり、市場より確度高く将来を予想できる投資家でない限り、自分の予想に賭けても恩恵はないということ。
特定の馬に賭けて当たり外れの結果を待つのではなく、どんな天気になろうがけがをしない「バランスのよいポートフォリオ」を目指すべきだという。
いずれも既出のアドバイスだ。
ダリオ氏はプリンシプルズを徹底してきた人物であり、ブレることはない。
このせいもあってか、以前プロジェクト進行中との言及があったダリオ氏のAIによる分身「デジタル・レイ」についても進捗の質問を受けている。
リアル・レイにより書かれたプリンシプルズとその応用の学習が進んでおり、現在ベータ版のテスト中だという。
これについて、ある人が質問を投げかけている:
「このQ&Aに答えているのはリアル・レイ? それともデジタル・レイ?」