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開発が進むAI版レイ・ダリオ

ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者レイ・ダリオ氏がRedditで広く様々な質問を募り、回答している。


私は現在の世界がAIの利用可能な、債務負担の大きい、不安定な状況にあると信じている。
AIによって将来大きく飛躍する企業への投資、債務性資産よりもハード・マネーの資産、優れた世界的な分散が最良だ。

資産のほとんどを米ドル資産で保有する投資家からの質問に、ダリオ氏が答えた。
質問者の趣旨は、ドル下落から資産を守る方法だったようだ。
当然と言えば当然だが、ドル資産の恩恵を得たままでドル下落から資産価値を守るのは現実的ではないようだ。

これは、多くの日本の投資家の悩みでもあるのだろう。
日本の投資家の保有資産に占める割合について円資産と米ドル資産が大きくなっていることは容易に想像できる。
今、円だけでなく米ドルも先行きの減価が心配されている。
円資産・米ドル資産はもちろん持ち続けたいが、通貨下落は怖い。
(為替オーバーレイというやり方もあるにはあるが、本質的な解決とは言い難い。)
結局のところ、投資家は信認の置ける第三の通貨を有する投資先を探求し続けることになる。

インフレが上昇したままで9月FOMCで利下げがあればどうなるのかとの仮想の問いに対し、ダリオ氏は悲観を隠さない。

「私が心配なのは、短期金利と米ドルが特に金に対して下落し、長期金利は少し上昇し、結果イールドカーブはスティープ化し、金融緩和にもかかわらず株式が比較的冴えない動きをすることだ。
そうした市場行動となるなら、それが反映するのは、投資家が債務性資産から価値の保蔵手段への乗り換えを望んでいること、FRBが追い込まれていること、スタグフレーションのリスクが上昇していることになる。」

ビットコイン等暗号資産について尋ねられると、ダリオ氏は発行上限について一定の評価を与えつつ、弱点についても指摘している:
「混乱期」において政府による統制を受けうること、新技術によってクラックされうること。
同氏は、これら理由から暗号資産が「準備通貨になる可能性は低い」と述べ、金の方が望ましいと結論している。
ダリオ氏は法定通貨の減価リスクの高まりから「有効な価値の保蔵手段となる代替通貨を保有することが最も重要」と強調している。

(次ページ: AI版レイ・ダリオ開発はベータ版の局面に)


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