ジェレミー・シーゲル教授が、久しぶりに元々の専門である金融政策における、ある1つの兆しについて注意喚起している。
6日発表の5月米雇用統計では
- 非農業部門雇用者数前月比: +139千人(予想は+126千人)
- 失業率: 4.2%(前月比横ばい)
- 平均時給: 前月比+0.4%、前年比+3.9%
- 労働参加率: 62.4%(前月比-0.2%ポイント)
となり、雇用の堅調さが確認された。
シーゲル教授はウィズダムツリーのポッドキャストで、FRB金融政策へのインプリケーションを語った。
「現時点においては、この雇用統計により、FRBは政策据え置き・ゆっくりとした政策変更にかなり満足しているだろう。
雇用の数字の悪化が見られないうちは、政策据え置きが続けられるだろう。」
結果、雇用統計を通過してもシーゲル教授の強気に変化は見られない。
長期的な生産性の基本的テーマは継続しており、徐々に上昇している。
繰り返すが、関税の見通しで大きな混乱がない限り、S&P 500の史上最高値(更新)は実現しないより実現する方の確率が高くなったと強く考えている。
以上がいつもどおりのシーゲル教授。
AIが需要と生産性の両面でプラスに働くとの主張だ。
このポッドキャストで興味深いのは、教授が今後注目すべきトピックを指摘しているところだ。
それは、テッド・クルーズ上院議員の5日CNBCでの財政再建に関する発言である:
「FRBは市中銀行に対し準備預金の金利を支払っている。
FRBの歴史のほとんどでは行っていなかった。
この10年余りのことだ。
これをやめるだけでも1兆ドルの節約になる。」
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