モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏が、従前からの米国株への強気見通しに関して、インフレについての考え方を語っている。
来年インフレがなければ、私たちの予想は外れるだろう。
ウィルソン氏がCNBCで、インフレ懸念について尋ねられ語った。
ウィルソン氏は年初あたりから米市場参加者の中でもかなり強気とされる主張を繰り返してきた。
4月の「解放の日」を境に米市場が新たな強気相場入りしたとし、多少の調整があっても強気相場が続くとの予想を唱えてきた。
これまでのところかなり的中しているように見える。
同氏は来年末のS&P 500目標を7,800とし、小型株など上昇銘柄に厚みが増してくるという。
トランプ政権の高圧経済路線、規制緩和、FRBの金融緩和によって引き続き良好な投資環境が続くとの考えが背景にある。
ウィルソン氏の予想は、来年もインフレが続くが、拡張的政策が継続するというもの。
加速するインフレは、出遅れていた企業群のほとんどにとって追い風だ。
しかし、もしもFRBが利上げするなら株式市場にとってよくない。
現時点ではFRBは利上げしそうにない。
インフレが続くのに金融緩和が続くなら、株式市場にとって好環境になるとの見通しだ。
その一方で、ウィルソン氏はいつかFRBがインフレ退治に転じざるを得ないことも承知している。
「問題はいつFRBがインフレのために利上げせざるをえないと感じるかだ。
そうすれば2022年と同様、強気相場を殺すことになろう。」
サイクル論で市場を語ってきたウィルソン氏は、新たな強気相場の終わりもまた念頭においているようだ。
それがいつになるかは語らないが、少なくとも2026年ではないと考えているのだ。
