メカニズムを理解したとして、価値を保存する上で金が適切かは別の問題だろう。
トリン氏は、金が通貨下落やインフレに対する優秀なヘッジであることを認めつつ、様々な問題はあれど物価連動債や株式もまた相応の効果が期待できると説明している。
(興味深いのは、物価連動債のリスクとして、政府によりCPIが操作される可能性に言及している。)
そして、足下の金について最大の問題点を指摘した。
現時点では、金は上昇したことにより、他のヘッジ資産との比較において歴史的に見て相当に高い手段となった。
同社のハドソン・アッター氏は、最近の急騰を引き起こしたのが世界の富裕層だと見ている。
各国中央銀行による金購入という話は3,000-3,500ドルまでなら十分な強気材料となったろうが、4,000ドルの水準では民間の資産が入ってきて大きなシェアを持つのでなければ十分な需要があるとは信じがたくなる。
全体として材料のバランスを見ると、市場の次の動きは上昇ではなく下落になるだろう。
アッター氏は、金相場が巻き戻すきっかけとなりうる事象をいくつか例示している。
「政府閉鎖が解除されたり、日本の高市政権の不確実性が解消されたり、英財務相が予算案を提出したりするイベントが発生した場合だ。」
