ブリッジウォーター・アソシエイツのカレン・カーニオルタンブール氏が、いつになく明確に米国以外への投資分散を推奨している。
一歩下がって、2010年頃から、過去15年の資産の上げ相場での文脈で現在の市場の動きを見直すと、これはとても小さい。
実際に起こった価格変化を、背景で現在起こっている地殻変動と比べると、その大きさはとても小さい。
カーニオルタンブール氏が自社のビデオで、「解放の日」以降の米国株・米国債・米ドルのトリプル安についてコメントした。
同氏は44分のビデオのすべてを費やして、米資産全般の脆弱性を警告している。
ブリッジウォーターはこれまで一貫して、米経済・市場が大きな「新重商主義」へのパラダイム・シフトを迎えつつあると指摘してきた。
米資産偏重の投資家は投資分散を急ぐべきと推奨してきた。
過去15年買われ続けてきたものがパラダイム・シフトとともに反転するとの見通しからだ。
長く基本的に一本調子の上げ相場が続いたこともあり、「解放の日」以降の変動は、ほとんどの人から急激な変動と受け取られた。
しかし、カーニオルタンブール氏によればまだ序の口のようだ。
米資産は数十年にわたって世界の投資家により買われてきており、単にリーマン危機後、最近15年だけを見ても大きく買われてきたと指摘する。
- 米国株: 世界の時価総額シェアは50%から75%へ。外国市場を大きくアウトパフォーム。
- 米国債: 1日の変動幅は大きかったが、長い目で見れば小幅で、リスクプレミアム拡大も限定的。
- 米ドル: ドル安と言っても、過去の上昇幅と比べれば小さい。
カーニオルタンブール氏は、こうした米国買いにファンダメンタルズがついていっていないとして、過去の大きな上昇の少なくない部分が巻き戻すと予想している。
最近の下げはそのほんの一部に過ぎないという。
政策環境で起こっていることはまだ影響が出始めたばかりで、実体経済の活動に影響したり、見直されつつある資本フローに打撃を与えたりするのはこれからだ。
このため、大きなチャンスを生み出す価格の大幅変動はまだ先ではないかと問われている。
カーニオルタンブール氏は、これまでも米国以外への地域的分散を推奨している。