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米政治の悪材料が減っていく:ジェレミー・シーゲル

ジェレミー・シーゲル教授は、堅調な雇用統計・CPIへの市場の鈍い反応に戸惑いながらも、今後は政策面での懸念が減っていくとの期待を述べている。


破壊と技術革新のスピードはエキサイティングであるとともに不安を生み出している。
AIの進展によって、どの産業、利益率が最も影響を受けるのかという心配だ。

シーゲル教授がウィズダムツリーのポッドキャストで、現在の米市場で起こっている「ローテーション」について解説した。
教授は一貫してAIがもたらすイノベーションや生産性上昇に対し前向きなスタンスを取ってきたが、同時にそれが一部の産業・企業に《破壊的イノベーション》として作用することも認めている。

経済状況は、多くのデータで悪化に見えていた労働市場が安定してきた。
短期的に安定したことは好ましく、CPIもとても望ましい状態だ。
ローテーションは不安をもたらすものの、それが強気相場を脱線させるとは思わない。
マグニフィセント7以外での強気相場は間違いなく脱線しない。

11日発表の1月の雇用統計は

  • 非農業部門雇用者数(前月比): +130千人(予想+70千人)
  • 失業率: 4.3%(予想4.4%、前月4.4%)
  • 平均時給(前年同月比): 3.7%(予想どおり)

と堅調な労働市場を示唆している。
また、13日発表のCPI(前年同月比)も

  • 総合: +2.4%(予想+2.5%、前月+2.7%)
  • コア: +2.5%(同+2.5%、+2.6%)

と低下傾向だ。

シーゲル教授は特に、実質の平均週給が前年同月比で1.9%と大きく改善しパンデミック以来の高水準になった点を好感している。
(平均時給は改善しておらず、労働時間の伸びが寄与している。)

(余談になるが、こういう数字を見ていると、リフレ政策のTPOの重要さが痛感される。
概して実質賃金がプラス圏にある経済では、インフレが問題視されているにせよ、その痛みは相対的には小さいのかもしれない。
それと比べ、実質賃金の基調がマイナスである経済でリフレを行うと、痛みばかりが感じられる結果となってしまう。
リフレ政策にも理はあるものの、実質賃金の上昇を実施の前提とすべきなのだろう。
その意味で、リフレの是非は国によって異なるように思われる。)

シーゲル教授が以前から気にかけてきた、最高裁によるトランプ関税への判断はまだ下されていないが、教授は2つ明るい兆しを見ている。
1つは、大統領が鉄鋼・アルミへの関税引き下げを検討しているとのニュース。
もう1つは、NBCによる大統領へのインタビューだ。

キャスター「今はトランプの経済のどの段階にあるのか?」
大統領「今はトランプの経済だ。誇りに思っている。」

シーゲル教授は、この質問の意図が「何か問題が起こったら、まだバイデン前大統領のせいにするのか?」であったと解説。
多くのメディアと同様、大統領の答には大きな意味があると語った。

「今や、大統領の行動すべてについて大統領が責任を負うと考えている。・・・
この変化によって私は、関税その他で大統領が過激なことをやらないとの確信を深めた。・・・
だから、関税や今後の経済見通しについてよい変化があると予想している。」


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